教員人事問題:橋下・松井両氏が大阪府教育委員を攻撃

 文部科学省の調査で、学校の教員人事について、教職員らの意見を反映した「人事委員会」で素案を作成する事例が大阪府で最も多かったことを受け、橋下徹前大阪府知事と松井一郎大阪府知事が、ここぞとばかりに大阪府教育委員会の陰山英男教育委員長や小河勝教育委員長職務代理者を「責任をとって教育委員を辞めるべき」などと攻撃している。

 そもそも教員人事については、校長が現場の教職員の意見や希望を参考にして責任者としての判断をおこなったというだけに過ぎず、文科省や一部の論者が言い立てるような違法性はないはずなのだが、それは別項に譲る。

 陰山氏や小河氏は、学校の教員として基礎学力定着の取り組みを進め、実践法を広げたことが評価され、橋下徹大阪府知事時代に教育委員に選任された。

 しかしその後、大阪府の教育基本条例案などをめぐり、両氏は維新主導の教育行政とはやや距離をおく場面もみられるようになった。

 橋下・松井両氏の言動は、教育委員会の首長からの独立性が示されているので、この機会に意趣返しをしているのではないかとも思われるような対応である。

 また陰山・小河両氏を槍玉にあげる一方で、教育委員会の日常事務を統率するトップの教育長には否定的な言及をしていない。

 大阪府の教育長は中原徹氏、橋下氏の学生時代からの友人で、橋下氏が大阪府知事時代に府立高校の公募校長に就任した。応募の際、河崎大樹・知事特別秘書(現大阪市議、2015年大阪府議選住吉区選挙区予定候補)が府教委に「橋下の友人が応募するかもしれない」と伝えていたことも明らかになっている。中原氏は府立高校校長時代、卒業式での君が代「口元チェック」問題を起こしている。また教育長就任後も、実教出版の高校日本史教科書の採択を希望した学校の名前を維新の会に伝えるなど、維新の教育政策に忠実に動いている。

 そもそも「教員人事」で責任を問われるいわれはないのだが、橋下・松井両氏の理屈に沿えば、中原氏も共に槍玉に挙げられてもおかしくない立場なのに、中原氏は全くスルーされている。自分たちに近いかどうかで態度を変えているのも、おかしなことである。

(参考)
◎橋下氏、自ら招いた教育委員長に「辞めるべき」(読売新聞 2015/1/31)
◎松井知事もバッサリ「陰山氏が責任取るのは当然!」 校内人事問題で教育委員長を非難(産経新聞 2015/1/31)