部活動中の熱射病死亡事件の訴訟、支援集会開かれる

2018年5月13日

 大分県竹田高校剣道部員熱射病死亡事件で、両親が「事故の背景に顧問教諭のしごきなどの暴力行為があった」として当時の顧問らを訴えている訴訟の支援集会が、9月6日に大分市でおこなわれた。

 この事故は2009年8月、剣道部の練習中に、当時2年だった剣道部員の男子生徒が倒れ、熱射病で死亡したものである。生徒は倒れる直前に異変の兆候を示していたものの、顧問教諭は無理やり練習を続けさせ、「演技だろう」と決めつけながら暴力も加えていた。

 両親は民事訴訟を起こした。一審大分地裁・二審福岡高裁とも、顧問教諭の行為を重大な過失と認定しながら、国家賠償法によって賠償責任は学校管理者の大分県にあるとして、顧問教諭への賠償請求は棄却した。両親はそのことを不服として最高裁に上告している。

 集会では両親と弁護団、同様の柔道事故で中学1年の息子を亡くした遺族らが報告をおこなったという。

 弁護団は、国家賠償法の解釈について「同じ事故が私立高校で起きれば個人責任が問われ、公立高校では問われないのは法の下の平等を定めた憲法14条に違反する。法曹界の常識は市民社会では非常識と言わざるをえない」と指摘した。

 集会の趣旨には全面的に賛同する。

 国家賠償法では、不法行為をおこなった公務員個人の賠償責任は認めていない。ケースによっては、個人責任に帰するのは適切ではないような事故や損害発生などもあり、一定の範囲ではこの規定自体は必要ではあろう。

 しかしそれは、故意に悪質な行為をおこなった者が、責任を行政に肩代わりさせる形で悪用するようなものではない。教師の暴力行為は本来の教育活動ではなく、本来なら社会的にも法に抵触する行為にもかかわらず故意におこなったきわめて悪質な行為である。

 もっとも、行政が必要だと判断すれば、相手方に支払った賠償額の全部もしくは一部を公務員個人に請求することはできる。しかしそれは行政の自主的な判断次第であり、犯罪レベルの悪質な暴力行為をおこなっても請求を見送るという事例もしばしばある。

 明らかに故意の場合には公務員個人の賠償責任を問うことも可能にするような法解釈の変更が必要である。さらに、そのことはがはっきりと明記される形での法改正も必要かもしれない。

(参考)
◎高校で部活中倒れ死亡 両親ら訴訟支援訴え 大分で集会(しんぶん赤旗 2014/9/8)