宮崎県中学生自殺訴訟、両親の訴え棄却

 宮崎県新富町立中学校に通っていた男子生徒が「友人の生徒らに避けられている」と両親に訴えた後に不登校になり、約1年後の2011年11月に自殺した問題で、学校側が十分調査せずに精神的苦痛を受けたとして両親が新富町を相手取った民事訴訟で、宮崎地裁は8月6日、訴えを棄却した。

 両親は生徒の自殺後、学校に対して無記名でのアンケートを求めた。しかし学校側は記名式でアンケートをおこない、「いじめはなかった」と報告した。

 判決では、生徒に起こった事故について、学校側は原因を調査し保護者に報告する義務はあるとした上で、具体的な方法や程度は場合によって異なり、この事例では学校側が義務を尽くしたと判断した。

 またアンケートでいじめを否定する回答があったことや、不登校から1年後に自殺していることから、自殺との因果関係を認定するのも難しいと指摘した。

 これについては、両親側が無記名調査を希望したのに学校側が記名調査を行った過程が気になるところである。

 また、いじめ自殺事件では必ずしも、激しいいじめにあっている真っ最中に自殺するとは限らない。加害者との接点がなくなったり直接的ないじめ行為が収まっても、後遺症に苦しめられた末に数年後に自殺する事例も、過去に報道されている。

 判決は表面的な判断ではないかという気がしてならない。

(参考)
◎新富の中2自殺:損賠訴訟 「学校側、義務違反ない」 地裁、両親の訴え棄却 /宮崎(毎日新聞 2014/8/7)