2015年度使用日本史教科書、実教出版から他社へ切り替え:埼玉県立高校

2018年5月21日

 埼玉県立高校の教科書採択で、2014年度まで実教出版の日本史教科書を採択していた8校すべてが、2015年度には別の教科書に変更する方針を決めたことがわかった。

 実教出版の教科書については、国旗国歌法における日の丸・君が代について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述している。しかしその記述を一部教育委員会が敵視し、当該教科書を採択させないように学校に圧力をかける動きが各地で起きた。

 埼玉県では2013年10月、埼玉県議会で教科書採択のやり直しを求める決議もあがるなどした。埼玉県教育委員会は2014年春には、各学校の校長を集めて意見交換の場を作り、この教科書を採択しないよう暗に求めると取れる発言をおこなった。

 その後各学校が来年度使用教科書の希望を出し、8月7日の教育委員会会議で各学校の希望状況が判明した。8月下旬の教育委員会会議が追認する形で正式採択となる。

 実教出版から他社に切り替えた学校では、「一般受験をする生徒が増えて、より受験に向けた教科書にした」(※実教出版の当該教科書は、大学受験向けというより基礎基本の理解に重点を置いた内容)とする発言もあったものの、「問題の記述が影響したというよりも、全体的に判断して選んだ」「教科書採択をめぐる議論も含め、総合的に判断した」など教育委員会の姿勢が影響していることを否定しない見解もあったという。

 実教出版から他社に切り替えたことについては、教育委員会の対応もかなり大きな背景となっているのではないかと推定される。学校の実情や授業のねらいなどに応じて、学校現場の意見を反映した教科書が選定されるべきで、教育委員会が特定教科書を排除するような行為は望ましくない。

(参考)
◎実教出版教科書 選定なし 来年度(朝日新聞 2014/8/8)