寝屋川市児童虐待、最高裁口頭弁論で判決見直しか

 大阪府寝屋川市で2010年、当時1歳8ヶ月だった女児が虐待死した事件で傷害致死罪に問われた両親が、求刑懲役10年を上回る懲役15年の判決とした一審大阪地裁・二審大阪高裁判決に上告した問題についての最高裁口頭弁論が、6月26日に開かれた。一審・二審判決が見直される可能性が高まった。

 判決日は改めて指定するとしている。

 弁護側は無罪を主張したうえで、裁判員裁判による一審判決で求刑を1.5倍上回る懲役15年の判決が出たことや二審判決でも一審判決が支持されたことについても「過去の同種事件の量刑傾向から逸脱し、違法」などと批判した。

 この事件は、女児が2010年3月に急性硬膜下血腫で死亡したものである。

 当時の報道によると、女児の体からはあざや骨折のあとなども確認され、中には古い時期についたとみられるものもあった。近所の人も「2009年夏頃から、怒鳴り声や叩くような音が激しくなった」「被害女児らしき幼児が、一家の住むマンションの階段に置き去りにされて泣いていたのを目撃したことがある」と証言している。
 しかも女児が意識不明になって救急搬送される際、救急隊員には「女児が勝手に食べた肉まんがのどに詰まったかもしれない」と話したが、救急隊員が口に入っていたを取り出したところ、噛んだような跡は確認できなかったともいう。また女児は、意識不明になった直前には顎を骨折していたとみられている。

 さらに両親は、この児童への虐待は否認したものの、児童のきょうだいについては「しつけのためにたたいたことがある」と認めたともいう。

 この事件については、疑う余地のない虐待行為である。量刑については、過去の同種事件の量刑から「逸脱」という発想にとどまるのではなく、むしろ過去の対応が甘く、時代の流れに合わせて積極的に改善を図るべきものだといえるだろう。

 裁判員裁判制度の是非や問題点は、それ自体別個に検討されなければならない問題ではあるだろう。しかし事件の話を裁判員裁判の問題にすり替えて、「素人」「愚民」が適当な考えで感情的に騒いでリンチまがいに不当な量刑を下したと言わんばかりにミスリードするのは、児童虐待に対する取り組みや世論を萎縮させ後退させる危険性もあり、疑問を感じる。子どもの命や人権はそんなに軽いものなのか。

(参考)
◎求刑の1・5倍判決、最高裁見直しへ…幼児虐待(読売新聞 2014/6/26)