教育研究者ら、PISAを批判

 OECD(経済協力開発機構)が実施している国際学力調査(PISA)に対し、米国の教育研究者らが発起人となって批判文書を公開した。

 文書では、PISAで計測できる学力は狭い範囲にとどまることを指摘し、教育について「危険なほどに狭めている」と指摘している。またOECDは経済機関であり、経済成長の観点から学校の経済的役割に比重をおいていることについても、一面的と指摘した。

 PISAが各国の成績順位付けをおこなっていることによって否定的な結果が生じていることや、各国で実施されている共通学力テストの過熱化に懸念を示すものとなっている。

 各国とも、PISAの順位低下を理由にして「教育改革」がおこなわれたとされる。全国学力テストの構想が2004年に提唱された時にも、背景にはPISAの問題があった。

 学力とは、一度のテストの成績や平均点・順位という極めて狭いものではない。テストの成績はその時点の学力の一側面に過ぎず、テストの出題範囲外だったり、そもそもテストでの計測がなじまないものも含めて学力である。

 平均点や順位だけが絶対的な指標かのようにひとり歩きすることで、各地で弊害が起きている。日本でも全国学力テストや地域ごとの学力テストでの弊害が、現在進行形で進んでいる。

 世界的な視点からも再検証が必要である。

(参考)
Open Letter to Andreas Schleicher, OECD, Paris:経済協力開発機構 教育局次長 アンドレアス・シュライヒャー博士へのオープンレター(日本語訳、民主教育研究所)