八重山教科書問題、採択地区分割手続きが完了

2018年5月21日

 沖縄県八重山教科書採択地区協議会の定期総会が6月6日に開かれ、竹富町教育委員会の同協議会からの離脱を決める規約改正をおこなった。沖縄県教育委員会はすでに採択地区分離を決定していて、正式に分離が決定したことになる。

 この問題は、中学校社会科公民的分野の教科書について、現場からの評価が一番低かった育鵬社版の教科書を、「つくる会」支持者の協議会委員長の主導で協議会が強引に採択答申したことに始まる。石垣市や与那国町は答申通り育鵬社を採択したが、竹富町は教育委員会の採択権を理由に、現場からの評価も高く協議会でも採択対象とされていた東京書籍版を採択していた。

 一方で、同一採択地区では同一教科書を採択する別の規定を理由に、国などが竹富町を「違法」扱いして難癖をつけていた。違法というのなら石垣市や与那国町なども同様となるはずだが、そっちは全く問題視しない状態だった。

 状況打開のために採択地区分割としたものの、それでも国や「つくる会」支持派系は「採択地区分割は、手続き上仕方がないとはいえども遺憾」と言わんばかりの対応をとっている。

 今後は新たな局面での教科書採択が始まることになる。一方で竹富町が抜けたあとの石垣市・与那国町の採択地区協議会では、引き続き「つくる会」系の策動が行なわれる危険性が示唆されている。

 総会後、石垣市教委の玉津博克教育長は「竹富は抜けても八重山は一つという思いを持っていたい。八重山の子どもたちのために一番いい教科書を選ぶ努力を続ける」と語った。

 前回の中学公民教科書で現場教員の評価が低い教科書を採択した選定方法については「協議会の責任と権限で選ぶ。今後もその思いでやっていく」と述べ、継続していく方針を示した。

(沖縄タイムス2014年6月7日『竹富分離を決定 教科書の八重山採択地区協』)

 内容に問題があって現場からは支持されない教科書を、採択手続きをゆがめた強引な方法で押し付けるなど、本来はあってはならないことである。このようなことが二度と起こらないように、引き続き注視していかなければならない。