公募校長更迭撤回問題、議論の詳細報じられる

 大阪市立中学校の公募校長に複数の問題が指摘され、辞職を求める声が保護者からあがっている問題で、2014年3月末での校長更迭を内定した大阪市教委事務局方針に対して、教育委員会会議が続投を決定した詳細な過程について、『産経新聞』が報じている。

 同紙ウェブ版2014年5月23日配信『「子供のため交代」「学校正常化のため残す」 公募校長留任、舞台裏で市教委首脳が火花』によると、永井哲郎教育長(3月末に退任)は校長更迭の原案を提案した。

 しかし大森不二雄教育委員長が、校内人事に選挙を反映させていた「問題」を取り上げ、「正常化」のためとして、「校長留任。副校長を新設」とする対案を出して譲らなかった。教育長側の原案を支持する教育委員はいたものの、大森氏側の案が採用された。

 校長続投が決まった直後、このような流れになったという。

 「校長に力がなくて行き先がどこにもないから副校長を付けるということを(対外的に)説明する」。永井氏は最後の抵抗を試みたが、大森氏は「前提が間違っている。そういう説明は絶対にしないでほしい」と一蹴した。

 その直後の記者会見。大森氏が「地域の声は一様ではない」と校長留任の理由を説明している横で永井氏は顔をこわばらせていた。

 問題の校長については、教頭を土下座させた問題のほか、修学旅行の自然体験中にふざけて生徒を川に突き落とす、生徒の写真を私的に大量に撮影して不安がらせた上に保護者が写真を見せるよう求めると「私物」と拒否する、生徒に対して「授業が面白くなければ1000円返すよう先生に言え」と不適切発言であおるなどの問題が指摘され、保護者からは辞任を求める声が強くあがっている。

 留任させた上に行き先がどこにもないから副校長をつけるというのは、自然な見方であろう。しかし「前提が間違っている」というのもおかしなことである。普通の校長なら、校務が回らなくなり、定年退職した前校長に特別に依頼して援助を要請するなどありえないことである。こんな状況のもと「正常化のために校長が必要」など、飛躍した論理である。

 橋下・維新のもとでの大阪市では、公務員・教員にはタバコや君が代などささいなことでも見せしめ的に厳罰にする傾向もある。しかし「お仲間」だからか、人権侵害や教育者としての資質を疑われるような重大な問題行動を繰り返しながら、かばいたてるのは異常なことである。