教育委員会制度に関する衆院参考人質疑

 教育への首長権限を強化する教育委員会制度の改悪法案を審議する衆議院文部科学委員会は5月14日、参考人質疑を実施した。

 改悪法案では教育委員会制度は残すものの、首長の権限を大幅に強化するものとなっている。

 参考人として出席した門川大作京都市長(教育長の経歴あり)は、教育委員会制度について「独立した執行機関として維持し、政治的対立を持ち込まないことが大事だ」として、首長介入には否定的な見解を述べた。

 一方で、市内の中学校で発生したいじめ自殺事件の対応の経過から教育委員会廃止論を唱える越直美大津市長も参考人として出席し、教育委員会制度の廃止を訴えた。

 大津市のいじめ自殺事件では、教育委員会事務局が教育委員に情報を隠し、事件から数ヶ月放置されてきた。市長も教育委員会事務局からの報告の範囲でしか事件の内容を知らず、新聞報道で事実関係の詳細が大きく報じられ、報道を受けて市長が事実関係を知って積極的に対処した経過がある。

 越市長はこの時の経験から、教育委員会廃止論を唱えるようになった。

 しかし大津市の事例については、教育委員会制度そのものが悪いのではなく、教育委員会が正常に機能していなかったことが問題なのではないだろうか。事務局が情報を隠したり教育委員を「名誉職」扱いするのではなく、むしろ教育委員の権限を強化する方向での改革が求められているといえるのではないか。公選制復活や、議員並みの権限を持たせることも検討すべきではないのだろうか。

 その論点を混同して「教育委員会制度廃止」とまで突き進めば逆に、制度的には悪質な教育介入の余地を生みかねない。

 実際に大阪府や大阪市では、橋下・維新の教育介入によって、教育の各分野に大変な混乱を生んでいる。君が代の強制や口元チェック、学校選択制や全国学力テストの学校別成績公表を押し付けられる、中学校給食でも問題が指摘されているにもかかわらず問題解決は後回し、桜宮高校「体罰」自殺事件では在校生を悪者扱いしたり入試中止で混乱を生み出しただけ、など、重大な問題が起きている。こういう風潮が法的にも正当化されると、より悪い方向に進むのではないだろうか。

 これでは、教育委員会「改正」意見の根拠の一つとなっている、いじめの解決にも逆行することになる危険性もある。

(参考)
◎教委改革法案:「教委の廃止を」大津市長が訴え 衆院文科委で(毎日新聞 2014/4/15)
◎教育委 役割発揮こそ 参考人質疑で浮き彫りに(しんぶん赤旗 2014/4/15)