期末テストの設問に介入する産経新聞 その2

 東京都立松が谷高校(東京都八王子市)で2014年1月、3年生の「政治・経済」の期末試験の靖国参拝に関する設問に対し、産経新聞が2014年4月16日付で難癖をつける記事を出した問題。産経新聞は5月4日(ウェブ版)、この問題について再び取り上げ、学校側を一方的に吊るし上げるような記事を再び出した。

 記事は『「赤旗や聖教新聞じゃないからセーフ」… 靖国参拝批判出題を容認する発言を繰り返した都立高校長』と、明らかにあおっているような見出しとなっている。

 問題となった「政治・経済」の期末試験では、安倍首相の靖国参拝に関する新聞記事を資料とした上で、「あなたが思うことを書きなさい」「中国・韓国はなぜ批判しているのか。中国・台湾・韓国と日本との関係は『戦略的互恵関係』にあるが、それを無視してまで、なぜ安倍首相は参拝したのか。アメリカはなぜ『失望した』のか。説明しなさい」という設問が設定された。

 設問自体は特に問題はないし、特定の主張に誘導するようなものではない。

 しかしこれに対して、資料として引用されていたのは毎日新聞の記事で、同紙が靖国参拝に批判的とみなした上で、産経新聞は4月16日付の記事で、設問が不適切と吊るし上げる記事を出した。

 また同じ4月16日には、義家弘介衆議院議員(自民党)がこの問題を衆議院文部科学委員会で取り上げ、非難する質問を行った。下村博文文部科学大臣も「不適切」とする答弁を出したという。

 さらに、東京都教育委員会は関係教職員の指導や処分を検討しているともされている。

 産経の5月4日付記事では、校長への取材の詳細を明かし、一方的に糾弾している。取材の内容も、産経が望むような方向での結論ありきのような、まるで圧力をかけているようなものとなっている。

 極右派がそれぞれ連携して、本来なら何でもないはずの試験問題に介入し、まるで巨悪かのように扱って吊るしあげていくという恐怖の過程が進んでいる形になっている。極めて危険な動きである。

 近年では大学入試センター試験で、第二次世界大戦での強制連行(2004年世界史)、南京事件・張作霖爆殺事件(2009年日本史)、外国人参政権(2010年現代社会)のテーマが出題された際に、極右派が難癖をつけたことがあった。また七生養護学校事件(2003年)のように、性教育にも難癖が付けられ政治的介入がおこなわれたこともある。

 特定勢力にとって少しでも気に入らなければ事実そのものがねじ曲げられ、触れること自体がタブーという風潮が作られることで、間接的には特定勢力にとって都合の良いイデオロギーが押し付けられることになる。危険な風潮であり、どこかで歯止めをかけなければならない。

(当ブログ過去記事)
期末テストの設問に介入する産経新聞(2014年4月17日)