県学力テストで事前に問題解かせる:大分の小学校

 大分県由布市教育委員会は4月25日、同月15日に実施した県の統一学力調査で、由布市立小学校5年担任の男性教諭が事前に問題を持ちだしてコピーして児童に解かせ、解答の解説をおこなっていたと公表した。

 大分県教育委員会は他校でも同様の事例がなかったか調査したが、他には不正行為は確認されなかったと5月1日に発表した。

 大分県の学力調査は2003年より、小学校5年と中学校2年を対象に実施している。この学校には4月11日に試験問題が届き、校内の金庫で保管していた。

 担任教諭は「児童がどこでつまづくか把握したい」と申し出、校長が問題の閲覧を許可し、教頭が問題用紙を手渡した。担任教諭は問題用紙をコピーし、前日の14日に担任クラスで試験問題を解かせ、採点した上で問題の解説をおこなっていた。

 校長や教頭は、担任教諭が児童に試験問題を解かせていたことは把握していなかった。一方で市教委は、問題の守秘義務を定めたマニュアルに反するとして、担任教諭および校長・教頭の処分を大分県教委に相談している。

 全国学力テストや都道府県・市町村レベルの統一学力テストでは、しばしばこの手の不正が発覚する。本来は児童・生徒の学力状況をありのままに把握すべきものであるはずが、学校別・地域別順位や「自分の学校や地域が平均点と比べて上か下か」という一面的な内容だけがひとり歩きすることで、各学校や各地域の点数競争となっている。このことで、点数を上げるためにこの手の不正がまかり通ることになる。

 個別の児童・生徒がどこに課題を持っているか、また全体的な傾向の実態把握のための資料としての、学力調査は当然あり得る。しかし他の学校や地域と比較するものではなく、ましてや児童・生徒や教職員・学校の「格」を決めるものではない。学力調査の運営に問題がなかったかの検証が求められる。

(参考)
◎大分県学力調査:小学校で前日に「予行」 担任が無断で 「自信持たせたく」(毎日新聞 2014/4/26)
◎学テ事前配布・他の学校での不正行為なし(大分放送 2014/5/1)