松本市柔道教室事故:指導者に有罪判決

長野県松本市の柔道教室で2008年、当時小学校6年だった男子児童(現在17歳)が練習中に指導者から投げ技をかけられた際に大ケガを負い、意識障害などの後遺症を発症した事故で、長野地裁は4月30日、当時の指導者の男性(41)に対し、禁錮1年・執行猶予3年(求刑・禁錮1年6月)の有罪判決を言い渡した。

この事故では、検察は刑事事件として罪に問うことは困難と判断して嫌疑不十分で一度不起訴処分にしたものの、検察審査会の議決を経て強制起訴したものである。

一度不起訴処分になった人物が強制起訴されて有罪判決を受けたのは、刑事裁判としても史上初めてとなる。

事故は2008年5月に発生した。指導者との練習の一環として、指導者が児童に「片襟体落とし」とよばれる投げ技をかけた際、児童は急性硬膜下血腫を発症した。頭は打たなかったものの、脳が揺れて脳内の血管が切れる「加速損傷」により発症したとみられる。

指導者側は「力を加減していた。加速損傷については当時社会的に認知されておらず、予見は困難だった」などとして無罪を主張していた。

柔道での事故はここ数年クローズアップされ、社会問題ともなっている。今回の判断は、従来は刑事罰を問いにくかったであろう内容についても踏み込んでいる形になっている。今回の判断が、今後の類似事件・事故での判断の参考になることは十分に考えられる。事故を未然に防いでいくためにも、この事件の教訓は役立てられるべきだろう。

(参考)
◎元柔道指導員に有罪=教え子に重度障害、強制起訴―長野地裁(時事通信 2014/4/30)