大学の自治権制限する法改正案、政府・文科省が検討

 『朝日新聞』2014年4月18日付『重要事項は大学長が決める 文科省、制度改正案示す』によると、文部科学省が大学の学長権限を強化し、大学の重要事項の決定権は学長にあることを明記する制度改革案をまとめたと報じられている。

 学校教育法と国立大学法人法を改正する案をまとめて、4月17日の自民党部会に提示した。今国会にも提出したいとしている。
 現行では大学の運営については、教授会は学校教育法に「重要な事項を審議する」と規定されているだけだという。運用は各大学ごとに任され、大学自治の原則や歴史を反映し、教授会が重大事項の実質的な決定の権限を握っていた場合も多い。
 「改正」案ではそれを敵視し、教授会の役割を「学長に意見を述べる」と限定的に扱い、また意見できる分野についても限定的に扱い、学長の意向をストレートに反映させることを狙う。
 これは大学自治の形骸化につながる、極めて危険な案だといえる。大学自治の原則は、中世西洋の大学では、学びたい者が自主的に集まって大学を作ったという歴史的背景から、真理の前には平等で、あらゆる外圧に屈せずに真理探求をおこなうという考えのもとで生まれてきたものである。時代が下り近代国家などが大学を設置する時代となったが、大学自治の原則は受け継がれてきた。
 トップダウン式の「教育改革」は、真理探求の場として自らか考える力の育成こそが求められている大学にはあなじまない。
 またこの改革は、初等・中等教育機関における、教育委員会制度の変質や教育行政への首長の権限強化などの動きとも軌を一にしているものであると感じる。この意味でも好ましくない。