期末テストの設問に介入する産経新聞

 東京都立松が谷高校で2014年1月に実施された3年生の政治・経済の期末試験で、安倍晋三首相の靖国参拝を報じた毎日新聞記事を引用した上で、参拝の背景などを説明させる出題に対し、産経新聞が4月16日付記事『都立高、靖国参拝批判記事から出題 「論調に誘導、極めて不適切」』で難癖をつけている。

 記事によると、設問は以下のようなものだったという。

 設問は「安倍首相の靖国参拝に対し、中国・韓国は厳しく批判した」と説明。その上で(1)「自分の思うことを自由に書きなさい」(2)「中国・韓国はなぜ批判しているのか。中国・台湾・韓国と日本との関係は『戦略的互恵関係』にあるが、それを無視してまで、なぜ安倍首相は参拝したのか。アメリカはなぜ『失望した』のか。説明しなさい」-と尋ねた。

 産経新聞ではこの設問を、批判的に報じている毎日新聞記事を引用していることをもとに、靖国参拝批判への誘導と難癖をつけている。
 しかし産経の主張は、言いがかりにほかならないものである。設問は特定の政治的主張に誘導するものではなく、(1)については文字通り自分の感想を書けばいいし、(2)についても新聞記事やテレビのニュースの内容をチェックしていれば客観的に解ける設問である。誘導も批判もしていないのは自明である。
 一方でこういう言いがかりのような難癖をつけて吊るし上げる「産経」こそが、靖国参拝賛成へと誘導し、客観的に考える授業やテストの設問に対して萎縮させる効果を図っているではないのか。
 すでにセンター試験では、産経も同調する右派系の勢力が、右派にとって不都合とみられるテストの設問に一方的に攻撃を加える例が、日本史や現代社会などでみられている。今回の事件も、その延長線にあるといえるだろう。