校内人事を教員に諮ることを問題視:大阪市教委

 大阪市立巽中学校(生野区)で、学年主任や校務分掌などの校内人事について、少なくとも1970年代から学校独自の内規を設定し、教員の選挙や話し合いで候補者を選出していたことが報じられている。

 教務主任や学年主任などは教職員の選挙をおこなう、学級担任の割り振りは校内の「調整委員会」が意見をあげる、教科主任は教科担当教員で合議するなどの手続きで、教員側が候補者を推薦していたという。

 大阪市教委は「校内人事の決定権は校長にある」と問題視し、他校でも同様の事例がないか調査する方針を固めた。

 しかし市教委にしても、それを受けた各紙報道にしても、そもそも問題視すること自体がおかしいのではないかと疑問に思わざるをえない。

 校内人事の決定権が校長にあるとしても、決定の過程で当事者の教職員の意見を聴取して最終判断をおこなうこと、意見の参考資料として校内での選挙の手法を取ることとは、矛盾しないはずである。

 矛盾するというのならば、それは構成員の意見を聴取せずに独断で決定するトップダウン方式の校長が理想だと告白しているのと同じことになる。こういうことは学校組織にはなじまないし、また組織運営一般にもなじまないのではないのだろうか。

民間人校長着任校での混乱

 巽中学校では2013年度に民間人校長が着任した。校長は教頭に対してパワハラまがいの行為をおこなって休職に追い込んだ・修学旅行中の体験学習でふざけて生徒を川に投げ落とした、などの行為が指摘され、問題視されていた。

 大阪市教委は、校内で校長と他の教職員・保護者とのトラブルがあったことは認めたものの、校長の行為をパワハラとは認定せず処分は見送った。

 その後も、教育委員会承認のもとで、定年退職した前校長が校務補助に入るなど学校運営の混乱は続いたと報じられた。

 事務方は2014年度人事異動の一環として校長の更迭方針を内定したものの、教育委員会会議が更迭を認めず、副校長ポストを新設したうえで2014年度も続投することになった。

 この校長に対する大阪市教委の対応が甘かった理由の一因は、校内人事の内規の問題にもあったのかもしれない。トップダウン式の学校運営に「従わない」教職員がいるのが気に入らないから、いわば「刺客」として送り込んだのかとも推測してしまう。

(参考)
◎大阪市教委:独自選挙で各校校内人事…不適切と調査開始(毎日新聞 2014/4/9)
◎校内人事を教員で選挙…独自規定あった中学(毎日新聞 2014/4/9)