教科書無償措置法「改正」案が成立

 教科書無償措置法の改正案(義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案)が、4月9日の参議院本会議で可決・成立した。

 自民党・公明党・みんなの党・日本維新の会・新党改革の各党が賛成した。民主党・日本共産党・結いの党・社民党・生活の党と無会派議員(糸数慶子・山本太郎・輿石東の各氏)が反対した。
 この「改正」案は、同一採択地区では地区採択協議会が選定した教科書を使用することを義務化したものとなっている。
 沖縄県八重山地区教科書問題で、採択協議会の乱暴な手続きをもって育鵬社版の中学校社会科公民教科書を押し付けようとしたことについて、採択協議会の手続きの問題を指摘して、別の法律の規定をもとに教育委員会の採択権限で東京書籍版を採択した竹富町の判断を、法的にも「違法」にすることを狙った措置である。
 この「改正」案は、教科書採択への国家介入をやりやすくし、教育委員会の採択権限を縮小することにつながる。
 現に、「改正」案の発端となった八重山地区の問題では、教員で構成される教科書調査員の調査結果を無視して、協議会委員が育鵬社版を強引に選定したという経緯がある。また各地で、育鵬社などいわゆる「新しい歴史教科書をつくる会」とその亜流系の極右派が、自分たちの支持する教科書を採択させるために、自民党や維新の会などの地方議員からの介入も含めて、政治的圧力と取れるような強引な策動も繰り返している。
 「改正」案の可決で、こういうことがあちこちで起きることになるという不安が高い。
 教科書の採択は、現場の教員が自主的に研究・判断を重ねていくことが望ましい。政府ですら1996年に、採択地区はできるだけ縮小することが望ましいとする見解を出している。この改正法案は、政府・文部科学省自身の見解にすら反するのではないか。