市立幼稚園19園廃止案、14園を否決したが5園を廃止へ:大阪市

 大阪市会は11月29日、大阪市立幼稚園19園の廃止・民間移管案のうち14園について否決し、堀川(北区)・中本(東成区)・瓜破(平野区)・津守(西成区)の4幼稚園の廃止と泉尾幼稚園(大正区)の私立認定こども園移管の計5園のみについて廃止・民間移管を認める条例改正案を、賛成多数で可決した。

 大阪維新の会は全案に廃止賛成し、日本共産党は全案に反対した。自民党・公明党・民主党系の3会派は、5園のみについて「児童数の減少などでやむなし」と容認し、他の園については反対した。

 橋下市政のもとで大阪市立幼稚園59園全園の民営化が打ち出された。しかし世論の強い反発もあり、いきなりの全園廃止・民営化を断念し、第一次案として19園の廃止や民間移管を打ち出すことになった。

 廃止対象にあがった幼稚園の関係者や周辺地域からは強い反発や反対運動が起こり、廃止方針撤回を求める署名や陳情書が多数寄せられることになった。多くの会派が住民の反対世論を背景に、幼稚園廃止には否定的な見解を出した。

 障害児保育など公立だからできたことや、大阪市では明治・大正時代の町会や編入前の旧町村など地域が資金を出して公立幼稚園が作られたという歴史的背景など、いろんな角度から拙速な統廃合には疑問とする意見が出された。

 それでも5園については認められてしまった。当該園の関係者はどう思うのだろうか。また廃園が避けられたところでも、廃園を免れたといってもあくまでも現時点での話である。大阪市はあくまでも全市立幼稚園の廃止か民営化を掲げている以上、橋下市政やそれを継承するような市政が続く限り、今後再び廃園の動きが具体的に再燃する危険も高くなっている。市全体の廃園計画そのものを撤回させるような、粘り強い取り組みも必要になるのではないだろうか。