大阪府市統合「新大学」、学長選挙認めない意向

 橋下徹大阪市長は10月9日、大阪都構想の一環で大阪府立大学と大阪市立大学を統合して設置する計画の新大学について、教職員らによる学長選挙を経ずに学長を選出する、学長直轄の人事委員会で教員人事を一元化するなどの「新大学案」を公表した。

 大学自治の原則について「人事に教授会がしゃしゃり出るというばかげたやり方は認めない」などと攻撃し、トップダウン式での大学運営へと切り替えようとする暴挙である。

 橋下の論法は、大学自治や学問の独立性の問題を「研究内容への介入」だけの問題に故意に矮小化し、学問研究の独立性を左右する大きな要素となる大学運営の自主性については全面否定するという、大学自治の基礎すら理解していないものである。

 学問の自由や独立性と、大学運営での自治は、不可分のものである。長年第一線で研究や指導にあたっていた大ベテランであろうと、学問を志したばかりの新人であろうと、学問的真理に誠実であるという一点では対等で、権力や暴力・金力など外圧で左右されてはならないというのが、学問の自由や大学自治の本質である。

 大学運営の自主性が失われ、人事もトップダウン式になると、大学構成員の研究にも「自粛」などが生まれかねない。これでは学問の発展にとっても有害である。

 こういう方向での「新大学」構想は撤回すべきではないか。

(参考)
◎「ばかげた学長選挙はしない」 橋下市長、大阪府市の「新大学案」を公表(産経新聞 2013/10/9)