熊本市立中学校生徒自殺、不適切指導指定された元担任教諭が懲戒免職不服申立

スポンサーリンク

熊本市立中学校に進学したばかりの男子生徒が2019年4月に自殺し、背後には小学校6年時の担任教諭からの不適切指導があったと指摘された問題。この問題では、当時の担任教諭は、当該クラスでの不適切指導やほかの多数の児童への「体罰」、職員室での同僚教員へのハラスメント行為などが認定されて2022年12月に懲戒免職になっている。

この案件について、処分を受けた元教諭が2023年2月27日、「処分は不当」だと訴え、熊本市人事委員会に不服申立をおこなった。

申し立て直後に記者会見をおこなった元教諭は、「不適切な行為は一切ない」「懲戒免職の根拠とされた42件の行為のうち、思い当たるのは数件だけ。思い当たるものでも、不適切なものではない」「『体罰』とされた行為については、日時や対象者などの情報が明らかにされていない。弁明の機会もなかった」などと訴え、懲戒処分は手続きを欠いており違法・不当だと主張した。

この事件については、当該生徒への不適切行為だけにとどまらない。元教諭が、当該生徒と同級生だった児童に対する暴力事件を起こして書類送検されたことが指摘された。記者会見で元教諭は、その事案については事実と認めた一方で、不適切行為ではないと主張したという。

ほかにも元教諭は、当該校在籍中の5年間で、複数の児童への暴力事件や暴言などの不適切行為、同僚教員を精神的に追い詰めるなどのハラスメント行為などが多数指摘されている。それらの行為については、管理職も把握し、指導の対象になっていたとも指摘された。被害に遭った元児童らは、記者会見で被害実態を自ら証言するなどもした。

また当該事案についての処分対象となった案件ではないものの、「小学生の頃、この教諭が担任だった」という30代男性が、「当時、教諭から繰り返し暴力を受けた」と告発し、新聞取材に対しても当時の話を述べたなどの状況もあった。

これらのことを勘案すると、元教諭がこのような主張をすること自体、理解に苦しむ。

熊本日日新聞の記事によると、自殺した生徒の母親は、元教諭の記者会見にこのような感想を寄せたという。

「元教諭が、やったことは一切問題なかったと考えていることに驚き過ぎて言葉が出てこない。理解が追い付かない」

確かに、元教諭の主張は想像を絶する斜め上の主張であり、絶句だと感じる。

タイトルとURLをコピーしました