熊本市生徒自殺、元担任教諭を学校現場から外す措置

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熊本市立中学校に進学したばかりの男子生徒が2019年4月に自殺し、直前まで通っていた熊本市立小学校で6年当時の担任から不適切な指導を繰り返し受けて抑うつ状態を発症していた蓋然性が高いと指摘さされた問題。

熊本市立中学校生徒自殺事件(2019年)
熊本市立中学校に進学したばかりの男子生徒が2019年4月に自殺し、背後に小学校6年時の担任教諭の不適切指導が指摘された問題。経過熊本市立中学校に入学したばかりの1年の男子生徒(以下Aさん)は2019年4月18日夜、マンションから転落して死亡

この問題では2022年10月、第三者委員会の調査報告書が、固有名詞や一部の事実経過等については一部黒塗りの形で公表された。公表された調査報告書によると、6年の担任だった教諭が当該生徒に直接的な行為を加えたかどうかの認定については曖昧になっているものの、ほかの児童への暴力行為や不適切指導が多数指摘され、教諭の威圧的な態度でクラスの雰囲気を萎縮させていて当該生徒やほかの児童の心理状態に悪影響を与えていたとうかがわれる状態になっている。

この問題について、熊本市教育委員会の体罰等審議会は2022年11月16日、教諭の行為について審議し、この日に認定された2件を含めて、教諭の不適切指導を計42件認定したと公表した。なお、過去に審議されたものも含めると、調査対象となった教諭の行為は、教諭が事件のあった学校に着任した2014年度から2018年度にかけての約150件に及んでいるという。

緘黙の傾向がある担任クラスの児童に対して、無理やり声を出させようとしたことや、教室でほかの児童に対して「この児童の声を聞きたい人」と呼びかけるなどしたことが、この日の審議会では不適切指導だと判断された。

また熊本市教育委員会は、生徒が通学していた学校・教諭が2014年度から2018年度まで在籍していた学校は熊本市立五福小学校だと初めて名前を公表し、生徒が進学した熊本市立藤園中学校とあわせて、2校の児童・生徒の保護者らを対象に、当該教諭の不適切指導がほかにもあったのかどうかなど、当該教諭に関する情報提供を呼びかけることを明らかにした。

さらに、現在別の小学校に勤務している当該教諭については、11月17日以降学校現場から外す措置をおこなったとしている。

教諭については、同小学校在職時代に、顧問を務めていた部活動での指導については「教諭着任後に大会で好成績を修めるようになった」などの状況が生まれたとされた一方で、児童への威圧的な指導や暴力行為、また同僚教職員への威圧などのハラスメント行為なども繰り返しあったとされている。

教諭の行為は繰り返し問題になり、生徒が小学校6年だった2018年度当時、当該生徒の保護者や、教諭から暴力行為を受けた児童の保護者など、複数の保護者が「教諭の処分を求める要請」をおこなうほどになっていたという。熊本市教育委員会は一部の事案については把握していたものの、「ほかの問題とまとめて処分する方針」だとして、これまで教諭への処分などはおこなわれていなかった。

2014年度から問題になり、2018年度には決定的に悪化していた事件にもかかわらず、さらに5年たった2022年の時点でやっと学校現場から外す措置になったのは、その措置自体は当然だとはいえども、遅すぎるという気がしてならない。もっと速やかに対応できなかったのかという印象も受ける。

適切な調査をおこなった上で、必要な対応が取られることが望まれている。

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