大阪府教委、平野・かわち野・美原の府立高校3校の募集停止方針決定

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大阪府教育委員会は2022年11月8日の教育委員会会議で、府立高校3校の2024年度以降の生徒募集を停止し、在校生が卒業次第閉校とする方針を決めた。大阪府議会での関連条例の可決・成立を経て、正式に募集停止・廃校が決まることになる。

対象となった学校は、平野高校(大阪市平野区)、かわち野高校(東大阪市)、美原高校(堺市美原区)の3校となる。平野高校は松原高校(松原市)へ、かわち野高校は枚岡樟風高校(東大阪市)へ、美原高校は大塚高校(松原市)へ、それぞれ機能統合する形としている、

統廃合の背景

統廃合については、地域からの合意・同意が得られたものではない。維新の府政によって条例が作られ、その中で「3年連続定員割れの学校は廃校を検討」とする趣旨の条文が入れられたことに基づくものである。

すでに条例制定以降、この条例に基づいて、10校以上の府立高校が廃止・募集停止されている。

一方で大阪府の公立高校については、どこかの学校で定員割れが生じるのは必然的となっている。2008年、当時の橋下徹府政のもとで、不況を背景に公立高校の志願者が事前の想定以上に増え、二次募集や定時制の募集を経てもなお、100人以上の中学生の進路が決まらなかったという痛苦の経緯から、募集定員に余裕を持たせるようになった背景がある。

定員割れが生じる要因についてはこのほか、学校間の競争などを促す大阪府の方針もある。学区制が廃止されたこと・「チャレンジテスト」導入などの入試制度の改悪や、「進学校」といわれる学校への偏重などの要件が複雑に絡み合い、特定の学校に人気が集中する一方で、人口が比較的少ない周辺部の自治体に立地する・交通の便が悪いなどの条件のある学校の定員割れなども目立っている。

そして、公立高校では、倍率が極端に上がり不合格者を多数生み出す学校と、常態的な定員割れになる学校との両極化が進んでいる。

また大阪府は、「私学無償化」と銘打って、私立高校に生徒を誘導するような策もとっている。しかし実際は、一定基準額以下の収入の世帯のみの授業料無償化で、また学用品などの費用は別途自己負担となることから、家計負担が重いことが指摘され、公立高校の役割がますます重要になっているという状況になっている。

これらのことを背景に、とりわけ周辺部の地域では、近くに高校がなくなり、地域の中学校卒業生の受け皿がなくなる、生徒にとっても遠距離通学を強いられて定期代などの家計負担が重くなるという状況が生まれている。

また定員割れが生じている学校でも、環境教育の実践、基礎学力の定着に力を入れた学習指導など、特色ある教育をおこなってきた場合もある。

統廃合はふさわしくない、再考を

条例の条件に該当したからといって、機械的に公立高校を統廃合することは、ふさわしくない。

今回の統廃合構想でも、市民団体などが「子どもたちの学ぶ場をなくさないでほしい」として、約1万人の署名を添えて大阪府教育委員会に要請している。

これらの条件を無視し、機械的に統廃合を進める大阪府教育委員会の施策、またその背景にある大阪府条例とそれを作った維新政治は、子どもの学ぶ条件を破壊するものであり、また地域社会全体にとっても悪影響を及ぼすものだというべきであろう。

統廃合方針は再考を求めるものである。また統廃合を進める根底にある大阪府条例についても、廃止など必要な措置がとられなければならない。

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