東広島市立中学校「指導死」訴訟:関係した教員に尋問

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広島県東広島市立中学校2年だった男子生徒が2012年10月に自殺したのは、学校側の不適切な指導があり、安全配慮義務違反があったとして、遺族が東広島市などを相手取り約1億1700万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が、2022年8月17日に広島地裁で開かれた。

この弁論では、指導に関与したとされる教員4人のうち2人について、指導の様子に関する尋問がおこなわれた。なお、残る2人については日を改めて、19日に尋問の機会が設定されている。

事件の経過

報道などによると、生徒の自殺直前、当該生徒が「美術の授業で使ったカボチャを廊下に置くなどして遊んでいた」などとして、教員4人が相次いで叱責したとされる。また前後して、プリントへの落書きがあったとして、「反省文」を何度も書かせる指導もあったとされる。

遺族側は、これらの教員の指導によって、生徒を追い込んで自殺につながった「指導死」案件だと主張した。

この日の尋問に立った教諭のうち、生徒が所属していた野球部の顧問だった教諭は、「机を蹴るなどして指導していたのは、自分も真剣なんだという誠意を見せたかったからだ。生徒が亡くなる当日は部活の練習に参加させなかったが、練習よりも家に帰って考えるべきだと思ったためだった」などと話したとしている。

また別の教諭は、当該生徒に対して複数の教員が同じ指導を繰り返したことについて、「教員みんなで生徒を見ているという効果があり、どの教員の前でも生徒に正しい態度を取らせるためだった」と話した。

指導のあり方としてはどうなのか

教諭4人がかりで同じことを繰り返し叱責する必要があるのか、そのことで「教員みんなで生徒をみているという効果」につながるのか、教員みんなで生徒をみているといっても、それならばほかの方法があったのではないのかという疑問を感じる。野球部顧問が言ったとされる「机を蹴るなどの指導」に至っては、誠意というよりも、暴力的な威嚇のようにも感じる。そんな指導のあり方でよかったのだろうか。

法的にどう判断されるのかは裁判の結果によるものとなる。一方で教育的な観点からは、法的な判断とは別個に、このような指導のあり方でよかったのかどうかは検証の余地があるようにも感じる。

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