私立中学校男子生徒が2017年に自殺、直前に教諭からの「指導」と指摘

『文春オンライン』(週刊文春)が2022年7月26日、『母親にLINEで「今までありがとう」と言い残して…都内私立校の中1生徒は、なぜ自死を選んだのか』とする記事を配信している。

母親にLINEで「今までありがとう」と言い残して…都内私立校の中1生徒は、なぜ自死を選んだのか | 文春オンライン
〈怒鳴りつけるなど冷静さや客観性を欠いた問題を含む指導であったにもかかわらず、X教諭はさらに翌日も指導を継続することを伝えるなど、サトシさんに重いダメージを与えたままフォローを行わずに同日の指導を終了…

東京都内の私立中学校1年だった男子生徒が2017年12月に自殺した。この事件を調査した第三者委員会は、学校での生徒指導が一因となったとする調査報告書を出したとされる。個の案件について報じている。

事件の経過

記事によると、生徒は自殺直前、2件のトラブルに巻き込まれる形で、教諭から指導を受けていた。

2017年12月25日、この生徒は、所属する部活動の副顧問教諭から呼び出された。この教諭は事前に、部員に対して、「年賀状を送る生徒がいるかもしれない」ということで、自分の自宅住所を教えていた。生徒が、部活動の「LINE」で共有しようと、よかれと思って教諭の住所を投稿した。そのことを知った教諭が、生徒を呼び出して指導した経過だった。教諭はこの生徒に対して、悪意のある行為だということを前提にする形で、「ふざけるんじゃないよ」「人の気持ちを考えられるようになれ」などと威圧的な指導をおこなったともされる。

翌2017年12月26日には、別の事件に巻き込まれた形で、前述の副顧問教諭ともう一人別の教諭から呼び出された。

地域住民から学校に、「12月24日夕方、学校近くのゲームセンターで1万円の両替をしたが、それを取り忘れた。生徒が持ち帰ったかもしれないので確認してほしい」という問い合わせがあったという。副顧問教諭が、前日の指導時にこの生徒が「両替機」について話していたことを思い出し、この生徒を呼び出した。

生徒は「2ヶ月前にゲームセンターの両替機を使い、その際にメダルが出てきたので使ったことはある。しかし24日はそのゲームセンターには行っていない」と話したという。

学校側は、この生徒が現金を取ったとは断定しなかったものの、ゲームセンターに立ち寄ったことがあると話した・メダルを使ってゲームをしたと話したことについても、そのこと自体が指導の対象になると判断した。

生徒は指導終了後、2017年12月26日午後12時30分頃に学校を出て、学校最寄り駅に向かった。生徒が持っていたICカードでは、午後12時47分に駅の改札を通過した記録が残っている。生徒は午後12時52分、母親に「今までありがとう」というLINEを送った。

生徒はその直後、ホームから列車に飛び込んで死亡した。

学校側は第三者の調査委員会を設置し、2022年1月に報告書をまとめた。報告書では生徒の自殺について、無実の罪を着せられたことなど「自殺直前の指導が自殺の要因」だと推定されるとした。

学校側は遺族と話し合いの場を持ち、謝罪をおこない、関係した教諭を懲戒処分にしたことを明かしたという。その一方で遺族側にとっては謝罪内容は十分ではないと感じられ、また懲戒処分の内容は詳細には伝えられなかったともされる。

この案件は「指導死」案件に該当する。生徒を追い込むような「指導」によって、生徒の命が失われたことは、重く受け止めなければならないし、このような事件を再び起こさせてもいけない。

当該生徒の遺族への真摯な対応とともに、指導の経過について、どこに問題があったのかを詳細に分析し、今後の対応にいかしていく必要がある。

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