東京都立高校いじめ自殺訴訟、いじめ認めず請求棄却

東京都立小山台高校(東京都品川区)1年だった男子生徒が2015年9月に自殺した問題で、「学校でいじめがあり、学校側はいじめを把握しながら対応しなかった」として遺族側が東京都を相手取り約9300万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁は2022年7月8日、遺族側の請求を棄却した。

経過

生徒は2015年9月、JR大月駅(山梨県大月市)で特急列車に飛び込み自殺した。

生徒は同級生から侮辱的なあだ名を付けられる、LINEに侮辱的な書き込みをされるなどのいじめを受けていたとされる。生徒は、学校側が実施した「いじめアンケート」で被害を訴え、スクールカウンセラーとの面談を求めていたともされている。自殺直前の1ヶ月間だけで、保健室を4度もも利用していたともされている。

しかし学校側はいじめへの個別の対応をしなかったと、遺族側が訴えていた。

東京都は当該生徒へのいじめの存在を認めず、いじめと自殺との因果関係もないとして争っていた。なお当該案件では、東京都教育委員会の第三者委員会ではいじめを認めていない。遺族側は再調査を求めているが、委員の選任などをめぐって調整が難航し、2022年7月時点では再調査委員会の設置・開始のめどは立っていないという。

判決では、加害生徒の行為や学校の対応については、「いじめに発展する関係や人格否定とまではいえない」「言葉遊びの中で苦痛を受けていたと断定できない」などとして、いじめだとは認定しなかった。保健室への来室回数が極端に増えていたことについては、「全校で行事が重なっていた時期で、男子生徒が深刻な身体・精神的不調を来していたと養護教諭が認識するのは困難だった」などとして、いじめとの因果関係を認定しなかった。

判決ではこのような形になったが、判決内容が妥当なのかは、検証を擁する案件ではないかといえる。

タイトルとURLをコピーしました