秋田県立高校いじめ自殺未遂、いじめ認定も「十分ではない」と指摘

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秋田県立高校1年だった男子生徒が2020年、同級生の女子生徒から激しいいじめを継続的に受けて自殺未遂に至った問題を調査していた秋田県教育委員会の第三者委員会が、いじめの調査状況をまとめ被害生徒側に報告をおこなっていたことが報じられている。

報告は2022年4月におこなわれた。いじめ8件が認定され自殺未遂との因果関係も明白だとしたとされるが、被害生徒側は調査内容について「いじめが一部認定されたものの、深刻ないじめ被害が認定されていない」「事実関係に誤りが多い」などとして不満を訴え、再調査を求めているとされる。

第三者委員会では、生徒側の意見も踏まえた上で、報告書の最終調整に入っているという。

事件の経過

この事件は2020年、秋田県北部の県立高校で起きた。ある男子生徒が同級生の女子生徒3人からいじめの標的にされ、「しね」「キモい」などの暴言、農業実習で使った汚れた長靴を被害生徒の鼻先に突きつける、被害生徒のロッカーにゴミを投げ捨てるなどの行為があったとされる。

被害生徒は教室で倒れて登校できない状態になった。さらに2021年2月には、男子生徒は加害生徒3人を名指しした遺書を残して自室で自殺を図った。生徒は、異変に気付いた家族にすぐに救出され、大事には至らなかった。生徒は、いじめが原因の重度のストレス反応とする診断を受けた。

学校側の対応も十分ではなかったと指摘されている。学年集会で教師が被害生徒を名指ししての不用意な発言が、いじめの発端となったとも指摘された。また加害生徒への指導や処分なども十分ではなく、加害生徒側は被害生徒を攻撃し続けているともされる。

この事案は、週刊誌が詳細に報じ、新聞報道でも後追いのような形で報じられた。秋田県教育委員会は重大事態と認定し、2021年9月に第三者委員会を設置していた。

調査報告の詳細は公表されていないようだが、報道内容から読み取れる限り、いじめは一定程度認定されたものの認定範囲は十分ではないとも受け取れるような内容ともなっている。いじめの事実関係を明確に認定することも、被害者の被害回復にとっては重要なものではないかとも思われる。

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