熊本県八代市の私立秀岳館高校で、サッカー部コーチが部員の生徒に暴行を加える動画がインターネット上に流出し、それに関連して被害者の生徒やサッカー部キャプテンなどが実名・顔出しで「謝罪動画」を出した問題で、学校は2022年5月4日、保護者を対象にした説明会をおこなった。
席上で学校側は、当初は「生徒が自主的におこなった」としていた「謝罪動画」について、サッカー部の男性監督が指示し、内容をチェックの上でインターネット上にアップしていたことを明らかにしたという。
またサッカー部で過去2年間に、サッカー部指導者から部員への暴力事件が二十数件、部員間の暴力が十数件、それぞれ確認されたことも明らかにした。
学校側は2022年5月5日に記者会見を開き、外部向けに経過を説明するとしている。
不可解な「謝罪動画」がアップされた数時間前、監督がサッカー部寮での点呼中、動画をアップしたとされる生徒2人の実名を名指しし、ほかの部員の前で、「(動画をアップした生徒は)加害者だ。俺は被害者だ」「俺が弁護士に相談したらどうなるか、謝罪だけでは済まなくなる」などと恫喝していたことも明らかになっている。
「謝罪動画」はその日の午後にアップされていた。
「謝罪動画」についても、やはり学校側からの圧力があったということになる。コーチによる暴力事件そのものも許せない行為だが、それを告発したことを逆恨みしてこのような圧力を繰り返していくという監督の対応は、極めて問題のあるハラスメント行為だというべきものとなっている。
また部の体質自体も、暴力がはびこり横行する体質と疑わざるをえないものとなっている。このことも不可解な「謝罪動画」強要につながっていると思われる。早期に体質を改善し是正する必要がある。