いじめ報告書「黒塗り開示」に疑問が出る:堺市

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大阪府堺市立中学校2年だった女子生徒が2019年、いじめを受けて1年以上長期の不登校状態になったのちに自殺していた事案があったことがわかった。堺市教育委員会が2022年3月17日、事案の存在を把握し調査をおこなっていたと発表した。

しかし発表されたいじめ報告書では、事実関係の大半は黒塗りとされていた。記者会見ではいじめの存在を認め、いじめが不登校の引き金になったことを認めたものの、「いじめと死亡との因果関係を認めることはできない」とした。

堺市教育委員会は黒塗りの理由について、「関係生徒のプライバシー保護」などとした。一方で事実経過に関することなどまで黒塗りにされていたことなどから、事実関係が全くわからないと批判が上がっていた。

堺市教育委員会は2022年3月23日に再び会見を開き、「黒塗り」公表は「生徒の保護者から了承を得ている」とした。

一方で関西テレビ2022年3月23日配信のニュース記事によると、生徒の母親が取材に応じ、「プライバシーへの配慮は求めたものの、黒塗りまでは求めていない」と訴えたという。また「黒塗り」の部分は、生徒へのいじめの内容や、生徒がマンションから転落して死亡したという事実にまで及んでいたとされる。

生徒の個人名や個人を特定できる内容までは公表する必要はない。しかし、いじめの内容などについては、プライバシーに配慮した形で、個人の特定を不可能にしたうえで、事実関係だけを切り分けての公表は可能である。また調査報告書では通常、そのような個人特定につながる内容は掲載されていないのが通常である。

個人情報やプライバシーを拡大解釈して、いじめの事実関係そのものをなかったことにしようとするのは、いじめの再発防止策の検証という意味でも極めてまずいことになってしまう。

(参考)
◎母親は「黒塗りでは何も伝わらない」 いじめ受けた女子中生の自殺 調査報告書の”黒塗り”は適切か 堺市(関西テレビ 2022/3/23)

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