大阪府立高校統廃合問題、阪南市での状況は

ABCニュース(朝日放送)が2022年3月11日、『【取材記者ノート】わが町から高校が消える・・・ 廃校の理由は大阪府の”独自ルール” 「3年連続定員割れの高校は統廃合の対象に」』とするリポートを出し、ウェブ上にも掲載されている。

【取材記者ノート】わが町から高校が消える・・・ 廃校の理由は大阪府の”独自ルール” 「3年連続定員割れの高校は統廃合の対象に」(ABCニュース) - Yahoo!ニュース
(3月24日に大阪府議会で府立学校条例改正案が可決されたことを受け改稿しています)  大阪府南部にある「阪南市」。  人口約5万2000人の都市で、「唯一の高等学校」が廃校となることが決まりまし

大阪府では公立高校統廃合計画が進められている。そのうちのひとつ、大阪府南部の阪南市に立地する大阪府立泉鳥取高校を廃校する方針が打ち出されたことについて、地域住民の声などを紹介している。

記事で指摘されている内容

大阪府立泉鳥取高校は、維新府政のもとで策定された大阪府の「3年以上定員割れは再編を検討する」という条件を満たしたことになり、再編整備対象校となった。大阪府教育委員会の会議では2023年度以降の生徒募集を停止し、最終学年が卒業した際に閉校とする方向が打ち出された。

募集停止・閉校を決める大阪府条例の改正案は、2022年3月24日にも大阪府議会で審議されることになっている。大阪府の方針や、府政与党の維新が過半数を占めている議会構成などから、方針がひっくり返ることは難しいのではないかともみられる。

一方で市で唯一の高校であることから、阪南市では市民から閉校方針に疑問が出されている。阪南市内の市立中学校の卒業生の約1割が泉鳥取高校へと進学しているとされる。泉鳥取高校がなくなると、電車通学や遠距離通学などで家計の負担がかかって難しくなるとする声も出されている。

定員割れといっても、ある年はたった2名にとどまったことなどから、機械的に閉校を検討するのはおかしいのではないかという声も出された。

廃校にせずに、少人数学級やクラス数の減などで対応すればいいのではないかという市民からの声もある。しかし国が40人学級を基準としていることで、少人数学級の場合はクラス数が変わらないのに教員配置が減ることや、国からの補助金などの面で学校運営にも影響が出るとして、大阪府は積極的ではない。また大阪府は「1学年6学級以上」を基本としていて、例えば1学年4学級にするなどの対応については消極的だとしている。

水野謙二阪南市長(維新推薦で当選)は、泉鳥取高校再編方針の再検討を求める要望を複数回にわたって大阪府におこなった。阪南市議会も、府教委に対して再編方針の再検討を求める意見書を全会一致で可決した。

抜本的な対応を

近くに高校がないことで、生徒の学ぶ権利にも影響を与えかねないことが考えられる。通学定期代の負担や通学時間の長さの問題などで、生徒の学びに影響が出ることにもつながる。

また元々の元凶となっている、大阪府の「3年連続定員割れの高校は再編を検討」という条例も見直す必要がある。

大阪府では元々、2009年度に当時の橋下徹府知事による私学助成金カットとそれに伴う私学授業料値上げ、折からの不況が重なって、公立高校志願者が当初想定以上に急増し、各校とも定員オーバーとなり、二次募集や定時制募集を経てもなおも100人以上の中学校卒業生の受け入れ先が見つからなかった状況になった。その教訓を踏まえて定員に余裕を持たせてきた経緯がある。定員割れになることは、制度上必然ともなっている。

さらに橋下知事時代以降の歴代の維新府政のもとで、公立高校普通科の学区撤廃、学校間競争を煽るような方針などで、高校入試が難化したり競争が激しくなるなどの状況も生まれている。

このことにより、大阪府内でも周縁部に立地する地域の高校では、不利な状況での競争を強いられて苦しい状況となり、定員割れの状況も生まれるようになっていた。

こういうことよりも、生徒に学びの場を保障できるような対応のほうが重要ではないか。

また国が「40人学級」を基準としていることも、大阪府の施策に間接的に影響を与えているという指摘がされていることも気になることである。高校についても、国レベルでも学級編成基準を変えて少人数学級にしていくことで、都道府県レベルでも独自施策がやりやすくなるのではないかとも思われる。

国レベルでの施策も含めて、また大阪府としてできる改善も含めて、現在の状況を抜本的に改善する必要がある。

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