2018年の熊本県立高校いじめ自殺事件、「週刊文春」が詳細を取材

2018年5月に熊本県北部の熊本県立高校で、当時3年の女子生徒が自殺した事件。背後にいじめがあったと県の第三者委員会で指摘され、遺族は加害生徒らを相手取り訴訟を起こして係争中となっている。

このいじめ事件について、「週刊文春」(ウェブ版)2022年3月4日公表の記事が、詳細を報じている。

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事件の経過

過去の報道では、「生徒が自殺した当日、同級生から暴言を受けた」ということが報じられていた。いじめの内容については、当日のいじめと、そのいじめの引き金となった直前の数日間の動きが中心となっていた。

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その一方でこの週刊文春の報道では、当日だけでなく、高校入学後、さらには小学生の頃からさかのぼって記述している。

週刊文春によると、生徒が高校3年に進級するまでの経過として、以下のようなことを明らかにしている。

加害者となった女子生徒(週刊文春の文中では「A子」)は、自殺した女子生徒と同じ小中学校出身で、小学校3年時に女子生徒の通っていた小学校に転入し、小学生時代から粗暴な言動が目立っていたとも指摘されている。高校でもこの女子生徒と同じ学校に入学した。

進学した高校は1学年3クラスの小規模校で、各クラスごとに進路別のコース制となっていた。女子生徒は高校1年時にA子と同じクラスになった。A子がささいなことで同級生に対して「キモい」「ウザい」「死ね」などと繰り返すなどしてクラスを牛耳る雰囲気になり、雰囲気はよくなかったという。A子は当該女子生徒だけでなく、多くの生徒に攻撃の矛先を向けていたとされる。またSNS場でも「LINE外し」などのいじめがあったと指摘されている。

女子生徒は2年進級時にコースを変更してクラスを変え、A子とは別のクラスになった。そのクラスには別の男子生徒(週刊文春の文中では「K也」)が在籍していた。この生徒は授業中に奇声を出すなど騒ぎ立てる・同級生の悪口を言う・毎日のように遅刻するなどの行為があったが、当該女子生徒に好意を寄せていたという。

第三者委員会の調査では、K也と当該女子生徒が交際していることになっていた。その一方で、遺族や女子生徒に近い友人によると、当該女子生徒はK也を当初から快く思っていなかったとうかがわれる発言を聞いていたという。女子生徒の残したスマホ上のやりとりでは、K也から悪口を振りまかれることなどを恐れて、交際の意思はないが通常のクラスメートとしての事務的対応をおこなっていたような内容が残されていた。

3年進級時には、A子とその取り巻きがコースを変え、当該女子生徒のいたクラスに入ることになった。A子が転入後、A子がクラスを牛耳る形でクラスの雰囲気が悪くなり、またA子とK也もつるむようになったという。

3年のクラスは授業にならず、授業中にも私語や悪口が飛び交っていたという。おとなしく真面目な性格だった女子生徒は、クラスの雰囲気とは距離を置くことを図ったが、A子らに執拗に絡まれるような形となっていた。

女子生徒が開設していたインスタグラムのフォロワー数を妬まれるような言動などもあった。

そして、2018年5月の事件につながる。別の下級生生徒が開設していたインスタグラムに、たまたま撮影時に通りかかったこの女子生徒が映り込んでいたことを見つけたA子とその取り巻きが、女子生徒を責め立てるなどの行為を繰り返し、それにK也も同調したとされる。

耐えかねた女子生徒が教室から出て早退届を出そうとした際、加害者グループは「ネズミが逃げるぞ」「●●●が逃げるぞ」などと悪態をついたともされる。

※「●●●」は、障がい児を意味するとされる罵倒表現が入る。

生徒は早退後、自宅で自殺を図り、翌日未明に死亡した。

熊本県立高校いじめ自殺事件(2018年)
熊本県北部の熊本県立高校3年だった女子生徒が2018年5月、いじめ被害を訴えるメモを残して自殺した事件。いじめの事実関係、いじめと自殺との因果関係、学校側の対応の不適切さが、第三者委員会で認定された。事件の経過熊本県立高校3年だった女子生徒

事件の根は深い

週刊文春で明らかにされた内容は、これまで報道されていた内容よりも一歩踏み込んだ内容となっている。

日常的に暴言や悪口が飛び交うような状況、それに対する学校側の認識、SNS時代のいじめの内容など、検討すべき論点は多数ある。

訴訟としてはまだ始まったばかりだというが、実態を詳細に解明した上で、被害者側への救済につながるような結果になることを願う。また仮に同種事件が発生した場合には対応の体制をより具体的な形でとれることにつながるような内容にもつながるように願う。

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