大阪府立高等支援学校の入試に際して、新型コロナウイルスの影響を受けた受験生への追試験の機会が設けられていないとして、関係者から疑問が出ているという。
入学試験は2022年2月中旬に実施されたが、大阪府教育委員会が把握しているだけでも複数名が、新型コロナへの感染や濃厚接触者指定によって受験できなかったとされる。
高等支援学校は大阪府内に5校あり、高等部単独の支援学校として、知的障害を持つ生徒の就職を目指し職業の専門教育などをおこなうカリキュラムを組んでいる。
大阪府にはほかにも高等部を併設する府立支援学校が複数設置されている。しかし一般の支援学校では、就職コースなどが設置されている場合もあるものの、障害の状況や将来の目指す進路などによるカリキュラムの違いがあるという。
大阪府では「支援学校高等部でも多少のカリキュラムの違いはあるが、一人一人の生徒の希望に応じてサポートしたい」などとして、受験できなかった生徒に対しては、就職コースを持つ支援学校の受験を提案しているという。一方で、生徒や中学校関係者などからは「生徒の権利を軽視しているのでは」と疑問が指摘されている。
大阪府では公立高等学校や公立中高一貫校の中学校、他の支援学校といった他校種の選抜では、コロナの影響で受験できなかった受験生への追試験の機会を設けた。しかし高等支援学校については設けていないとされる。
学校の選択は生徒の進路希望や将来にもかかわることであり、やむを得ない事情で受験できずに追試験の機会を設けられない・機会を失われたままになるというのは、疑問に思わざるをえない。ほかの校種では追試験を設けているのに、高等支援学校だけ設けないという措置も、疑問に感じる。
(参考)
◎コロナ追試、大阪府の公立入試で高等支援学校だけなし 中学から批判(朝日新聞 2022/2/26)