学校現場での校則見直しの動きが進んでいる。
校則問題については、2017年に大阪府立高校で明らかになった「黒染め訴訟」により1980~90年代以来再び社会問題化し、各地で見直しの動きが進んできた経緯がある。
当初は「子どもの人権を侵害している」という観点から論じられることが多かった。
生まれつき髪の毛が赤っぽい色や茶色の生徒に無理やり黒染めさせること、下着の色を指定して教師が服装検査することなどは、人権侵害だという指摘がされた。またそういう指導を強いられる教師の側にとっても問題になるという指摘がされている。
その後校則問題については、ほかの論点もあわせて指摘されるようになった。
児童・生徒が主体的に自分たちの生活環境を決定するという問題。校則見直しの議論は生徒参加でおこなうという問題。
コロナ禍によりこまめな教室換気が必要として、それに伴い空調などが十分に効かない問題が生じ、防寒具の扱いなど服装調整の必要性についても指摘された問題。
制服については、生徒個人の体質と制服素材との相性、LGBTや性別違和感などの問題、などを背景に、自由化が必要と指摘された問題。
さまざまな角度からの指摘がされ、見直しの動きが進んできた。
2022年もこの流れが進むと想像される。
いわゆる「ブラック校則」と呼ばれるものによって、生徒の人権が制限され、場合によっては心身に被害を与える状況まで生じているなどという現状は、できるだけ速やかに改善していく必要がある。
校則問題、また生徒指導全般については、子どもの人権という角度から適切な対応を検討し、よりよい対応を進めていくことが重要になってくる。