高校入試英語スピーキングテスト導入計画に疑問:東京都

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東京都立高校の入試では2023年度より英語スピーキングテストが導入され、選抜資料として活用されることになっている。

これに対して英語教員や市民らが2021年12月27日に記者会見を開き、スピーキングテストの導入反対を訴えた。

英語スピーキングテストの問題点

英語スピーキングテストは専門のタブレット端末やマイク付イヤホン、周囲の音を遮断するイヤーマフを使うとしている。2021年秋に都内の中学校3年の生徒を対象に実施した試行テストでは、「英文を声に出して読む」「イラストを見て、そのイラストで描写されているものを英語で話す」などの課題に口頭で解答する形式で出題された。

ベネッセコーポレーションの協力のもとで、都教委が実施主体となりながら、試験の実施や採点の実務はベネッセ側が主体となっておこなうとしている。試験監督は外部人材の活用、採点はフィリピンで実施すると想定されている。スピーキングテストの結果は6段階で評価され、評価を20点満点として数値換算した上で、ペーパーテストの素点と調査書の評定点(いわゆる内申点)に足す形で合否判定をおこなう。

このことに対して、英語教員や市民は強い疑問を呈している。具体的には、以下の問題点を提示した。

  1. 公平な採点はできるのか
  2. 評価の信頼性への疑問
  3. 授業と英語教育への波及の問題
  4. 個人情報漏洩の危険性
  5. 入試配点上の問題点
  6. 家庭の経済格差が学力格差を生む

中学校の校内で実施するスピーキングテストは、担当者の間で採点基準を細かくすりあわせて実施しているが、それでも担当者によって採点結果が分かれることもある、入試で8万人いる受験生の採点基準を細かくすりあわせることは不可能ではないかという指摘がされた。外部に委託することでの学校現場への影響、個人情報の扱いの問題なども指摘された。また家庭の経済格差での影響も指摘された。

確かにそういう懸念は拭いきれないということになる。はっきり言って、こういうのは客観的・公正な採点にはなじまないのではないか。

国レベル、また大学入試レベルでは、大学入学共通テストで似たような「英語での外部テスト」「国語や数学での記述式問題」が取り沙汰されたが、受験生や高校・大学関係者からの強い批判と懸念の声によって「凍結・導入延期」ののちに「導入断念」となった。東京都で起きている問題は、高校入試という違いはあるが、本質的には大学入学共通テストで起きた問題と根は共通だという印象を受ける。

東京都教委が想定しているような形で入試にスピーキングテストを導入すると、極めて重大かつ深刻な影響が出かねないということになる。入試の公正性や公平性にも疑問が出かねない。このようなテストは導入を撤回すべきであると考える。

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