主権者教育、拡大求められている中でも現場に不安も

中国新聞2021年11月30日付に『教諭ら、現実の政治課題は敬遠 高校「公共」必修で主権者教育どう進める?』が掲載されている。

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高等学校新学習指導要領が2022年度第1学年より学年進行で実施されることに伴い、公民科では従来の科目「現代社会」に代わり、科目「公共」(2単位)が必修科目として設定される。

科目「公共」では、従来の「現代社会」と比較して、政治や社会のあり方を自分たちの課題としてとらえて行動するという視点をより強化した教育課程だとされている。

実際には「道徳的な統制強化をより一層強めたものになっている」などの批判もあるものの、導入の際の表向きの見解としては、現代社会の諸課題を主体的に考えて、主権者教育なども強化するとされている。

しかしその一方で、主権者教育のあり方については、現場の教員からの不安が出ているという記事になっている。

主権者教育のあり方について

「18歳選挙権」が2016年夏の参議院選挙より導入された。文部科学省はこのことを受けて、学校での主権者教育を求めた経過がある。

しかしその一方で、主権者教育の実施に阻害となっているとみられるようなことも行政サイドや政治家サイドから出され、現場の教員が萎縮するような状況も生まれている。

特定の課題に踏み込んだ授業実践が「政治的中立」に反するのではないかとして、難癖を付けられて問題になった事例もいくつも発生している。

山口県では2015年、ある県立高校での安保法制を取り上げた授業について、県議が問題視して、議会で批判的に質疑する事案が起きている。

朝日新聞デジタル:「政治的中立」教育に波紋 - 山口 - 地域
朝日新聞デジタル:記事「「政治的中立」教育に波紋」

京都府では2018年、ある府立高校で、学校所在地の市の市議会の各会派の市議を招き、その市で行政課題となっていた問題について見解を聞く取り組みをおこなった。しかしその分野の担当の市幹部職員や教育長が京都府教委や学校側に問い合わせをおこなうなどして、圧力と受け止められる状況になって問題になった事案も起きた。

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宮城県立高校では2015年、同校の部活動・社会科学部が文化祭展示で安保法制を取り上げたところ、「外部からのクレームがあった」として発表中止に追い込まれる事案が起きた。

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これは中学校での事案であるが、2018年には、大阪府吹田市立中学校の社会科教員が「従軍慰安婦」を題材とした授業実践をおこなったことが新聞報道されたとして、吉村洋文大阪府知事がその新聞記事を引用する形でツイッターで攻撃し、また維新や自民党の議員が問題視して攻撃するような議会質疑を府議会でおこなったこともあった。

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これらの「政治的中立」の問題があり、なんでもないことでも「政治的中立」に抵触すると難癖を付けられかねないという不安・恐怖から、授業実践者は踏み込んだことをおこないたいと思っていても実際には踏み込みにくい状態となっている。

主権者教育をよりよいものにしていくためには、学校現場での取り組みも重要であるが、同時に社会全体の課題として、市民の立場としても現場への萎縮を生み出しかねない状況については目を光らせ、改善していく必要性を感じている。

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