「静岡県御殿場市立中学校に在学中に悪質ないじめを受けたが、被害を申し立てても学校側が対応を怠ったのは安全配慮義務違反」などとして、同校に在籍していた元男子生徒(16歳)が2021年9月22日、御殿場市を相手取り、約600万円の損害賠償を求める民事訴訟を静岡地裁沼津支部に提訴した。
いじめの経過
報道での情報を総合すると、いじめの経過については、おおむね以下のようになっている様子。
生徒は2018年度に同校に入学した。在学中に同級生から、校舎の階段から突き落とされてケガをする、宿泊学習中の宿舎で性的な行為を強要されるなどのいじめを受けたと訴えている。生徒は不登校になり、うつ症状を発症して転校を余儀なくされたという。
保護者がいじめ被害を訴え対応を求めても、学校側は放置して適切な対応をとらなかった。
階段から突き落とされた事件では、加害生徒は当初自分の行為を認めていたものののちに否認に転じたことや、目撃した別の生徒が「自分で落ちたんじゃないか」と発言したことで、学校側は誤って転落した事故だと扱い、いじめとしての対処はおこなわなかったとされる。
生徒側は人権救済申立制度を利用したが、弁護士会の調査報告を受けて保護者側が対応を求めても、校長は「職員会議で話して終わりました」と軽い口調で扱ったもされる。
対応に問題があったのではないか
報道での指摘通りだとすれば、いじめへの対応を軽く扱っているということにもなる。重大な人権侵害事案にもかかわらず放置してやり過ごすなど、あってはならない。