名古屋市中1女子生徒いじめ自殺、市教委は「家庭の問題」扱いで対応か

週刊文春のウェブサイト「文春オンライン」に『《名古屋中1いじめ自殺》元市教委職員が実名告発「調査前から“家庭の問題”と決めつけていた」』とする記事が、2021年9月21日に掲載された。

《名古屋中1いじめ自殺》元市教委職員が実名告発「調査前から“家庭の問題”と決めつけていた」 | 文春オンライン
2018年1月、名古屋市名東区の中学1年生、齋藤華子さん(当時13歳)が自殺した。市長部局に設置された再調査委員会が今年7月に公表した「再調査報告書」では、これまで学校や教育委員会の調査では認めてこな…

名古屋市立中学校1年だった女子生徒が2018年1月に飛び降り自殺した事件。この事件では、学校や市教委はいじめを否定したものの、市長部局に設置された再調査委員会での再調査を経て、2021年7月にいじめを認定する再調査報告書がまとまった経緯がある。

この事件に関して、当時市教委事務局に在籍していた元職員が実名・顔出しで取材に応じ、当時の状況を話している。

名古屋市役所

名古屋市役所

元職員の証言

取材に応じた元職員は、当該いじめ事件の調査には直接関与する立場ではなかった。一方で当時、子どもの悩み相談やサポートなどを担当する名古屋市教委「子ども応援委員会」に在籍していて、調査にあたった担当者からの報告内容を聞くこともあったという。

自殺事案発生直後、名古屋市教委指導部の上層部が、調査しないまま「自殺があったが、あれは家庭の問題です」などと扱っていた様子を聞いたとしている。

一方でこの問題では、生徒の自殺直後に学校側が実施したアンケートに、いじめ加害者とされる生徒の実名が名指しされるなどしていた。しかし名古屋市教委が「はっきりしない」としていたことが明らかになっている。

別のいじめ自殺事案でも

名古屋市では2013年7月、いじめが背後にあるとうかがわれた、市立中学校2年男子生徒自殺事案が発生した。

この事案をきっかけに名古屋市教委に「子ども応援委員会」が設置されたが、その後も2015年11月に、市立中学校1年男子生徒のいじめ自殺事案が発生した。

元職員は、2015年の自殺事案についても証言している。「自身は直接調査する立場ではなかったが、当該案件での事実認定はスムーズに進んだ」とした一方で「再発防止の研修などは形式的だったと感じた」「子どもの自殺があると、個人の問題であり、家庭の問題であるという認識が強いように感じた」などとした。

名古屋市では毎年複数の子どもの自殺案件が起きているが、市教委はそのたびに、理由が「わからない」と結論づける傾向が強いと感じるとも証言した。

感想・私見

証言からは、自殺事案が発生しいじめの疑いの訴えがあっても、家庭の事情と安易に結論づけることで、いじめ訴えが軽視されてなかったことにされるという、極めて重大なことになっていることを示している。

そのような方策ではなく、いじめが疑われる内容が指摘されれば先入観なしに調査していく方な方策をとらなければ意味がない。また再発防止策も形式的になっているということも重大で、実効ある対策が取られなければならないだろう。

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