大阪市「オンライン学習」、6割の学校が学習効果「不十分」

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大阪市立小中学校で2021年4~5月の緊急事態宣言中に実施された「オンライン学習」について、自民党大阪市議団が独自調査を実施したところ、回答した学校のうち約6割が、学習効果が「不十分だった」「なかった」としていることがわかった。

同党は2021年8月31日、調査結果を公表した。

調査結果の概要

調査は、大阪市立小中学校計421校を対象に実施した。うち190校(小学校117校、中学校68校、小中一貫校5校)から回答があった。回答率は45.1%となる。

オンライン学習を実施したのは回答校のうち85.3%となったが、ほとんどで通信環境などの問題が生じたと指摘された。十分に指導できたと回答した学校は20.5%にとどまった。

また「オンライン学習」は、松井一郎大阪市長が突然方針を発表し、市教委が押し切られるような形になったとも指摘されている。方針発表時点でオンライン学習が可能だと感じた学校は8.9%にとどまっている。

対応が十分ではなかった

大阪市でのオンライン学習については、かけ声だけは前のめりだったものの、体制が十分ではなかったことが指摘されている。

回線容量が決定的に不足し、大阪市教委では市内をいくつかのブロックに分けて接続時間を交代で割り当てる施策をとった。しかしそれでも回線の不具合がでるなどして十分に接続できず、4月最終週からゴールデンウィークを挟んだ5月中旬までの計約3週間の期間中には接続テストだけで終わった、ほとんどがプリント学習に費やされたという指摘も出ている。

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大阪市教育委員会が各学校におこなった聴き取りでも、自民党の独自調査と似たような声が出されている。オンライン学習での準備体制が不十分なままで見切り発車したことで、現場にしわ寄せが来ているということにもなる。

早急な改善策をとることが求められる。

また自民党大阪市議団では、児童・生徒や教職員に新型コロナウイルス感染者が発生したことに伴う市立学校の臨時休業について、濃厚接触者などを確定するための疫学調査の体制が追いつかず学校再開のめどが立たない、学級閉鎖・学年閉鎖・学校閉鎖などの臨時休業の範囲が確定できない事例が相次いでいるとして、学校専門の疫学調査をおこなうチームを作ることなどもあわせて求めている。その点についても必要な改善策が求められている。

(参考)
◎新型コロナ 大阪市・オンライン学習 効果「不十分・なし」6割超 通信環境整わず、混乱 自民市議団調査 /大阪(毎日新聞 2021/9/2)

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