熊本市立中学校女子生徒転落死・いじめ訴訟、市と和解成立へ

熊本市立中学校2年だった女子生徒が2015年3月に自宅マンションから転落して死亡した事案で、「当該生徒へのいじめがあった」として遺族側が加害者とされる元同級生や熊本市を相手取り約7900万円の損害賠償を求めて訴えた訴訟で、熊本市が和解案を受け入れることが、2021年8月26日までにわかった。

「和解金約1100万円を支払う」「いじめの情報提供や加害者側への指導など、学校側の対応が不十分だったことを謝罪する」などの内容だという。市議会に関連議案を提出し、承認されれば正式に和解成立となる。

元同級生側とはすでに和解が成立しているという。

いじめ事件の経緯

生徒は2015年3月20日朝、自宅マンションのベランダから転落して死亡した。遺書などはなかった。生徒が落ちる様子や、直前にベランダにいた様子が通行人に目撃されていたが、飛び降りか不慮の事故かは断定できなかったという。

当該生徒は2015年1月頃から複数回、「同学年の生徒数人から悪口を言われている」などといじめ被害を学校側に訴えていたとされる。死亡の約1週間前からは登校できない状態になっていた。

熊本市教委が設置した第三者委員会の調査では2016年3月17日、「生徒のノートが教室のごみ箱に捨てられていた」「給食時間に髪形や体形などの悪口を言われた」などの16件をいじめと認定した。その上で、「いじめが女子生徒を精神的に追い込んでいたのは明らか」と指摘した。

遺族は2017年12月、熊本市やいじめに関与した元同級生3人を相手取り、熊本地裁に提訴していた。熊本地裁は2021年4月に和解を勧告したという。

訴訟としては一区切りとなる。その一方で、失われた命は戻ってこないという重い事実もある。せめて、いじめの経過の教訓を生かし、類似事案に直面したときによりよい対応ができるような検討が必要になってくるのではないだろうか。

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