旭川いじめ事件、弁護団が記者会見・母親の手記公表

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北海道旭川市立中学校2年だった女子生徒が2021年2月に行方不明になり、3月に遺体で見つかった事件で、遺族の弁護団が2021年8月18日に記者会見した。生徒の母親がいじめや学校の対応を訴える手記を公表し、またいじめの情報提供を求めた。

この事件は2021年4月に週刊誌で報じられ、社会的にも反響や事件への批判を呼んでいる。旭川市教育委員会は第三者委員会を設置して調査を始めたとのこと。

いじめの経過

これまでの報道や母親の手記を総合すると、いじめ事案の経過は大筋で以下の様子。

生徒は2019年4月の中学校入学後、同じ学校や別の学校に通う男女の上級生からいじめを受けるようになったという。夜中に呼び出される、性的な画像を無理やり撮られて拡散される、2019年6月には加害者グループから取り囲まれて川に飛び込まされるなどの事件があったとされる。

生徒の母親は、中学校入学後に生徒の様子がおかしくなり「死にたい」と度々訴えていたこと、生徒が夜中に呼び出されるなどしていたことを認知し、担任教員に繰り返し相談していた。

しかし担任は、「死にたいと訴えたこと」について「思春期ですからよくあること」と扱った。深夜に呼び出されるなどの行為は「いじめではない」と決め付け、「(呼び出した同じ学校の加害生徒は)ちょっとおバカな子なので気にしないでください」「今日は彼氏とデートなので、相談は明日でもいいですか?」と扱った。

生徒本人も担任にいじめ被害を訴えていたが、担任は取り合わなかったとも指摘されている。

川に飛び込んだ事件では、生徒がいじめを受けているという痕跡を示すような通信記録があったことを学校側に指摘したところ、教頭は「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」と母親に言い放ったという。

また被害生徒の保護者が加害生徒側に事情を聴く場を設定した際、加害生徒側は足を投げ出してのけぞって座るなどした上、「いじめの証拠はあるのか」と突っかかるなどしたという。

生徒はPTSDを発症し、転居して2019年9月に市内の別の中学校に転校した。しかし後遺症で登校できないなどの状態が続いたという。

生徒は2021年2月13日夕方、自殺をほのめかすメッセージを複数の知人に送ったのちに行方不明になった。母親は当時仕事中で、メッセージを受け取った知人が警察に通報し、警察から母親に「自宅の様子を確認してください」と連絡があったという、

生徒は約1ヶ月後の2021年3月、市内の公園で雪の下に埋もれた状態で遺体で見つかった。死因は凍死だと判断された。発見時、気温マイナス十数度の雪の中を歩くのは難しいと思われるような軽装だったという。

2021年4月に週刊誌報道で経過が報じられ、大きな問題となった。

またこの事件から派生して、以下のような事件も発生している。

  • 宮崎県都城市在住の男性が教頭を名指しし「謝罪会見をしなければ殺害する」と学校に手紙を送りつけた事件(2021年8月18日付で脅迫罪で罰金の略式命令)。
  • ネット上で無関係の人物が「加害者」だと名指しされる事件。
  • 「取材」と称して旭川市在住の女性(事件との関連は不明)につきまとったとして、神奈川県相模原市在住のYoutuberが強要未遂に問われた事件。

学校側の対応は異常

この間の経過を見ると、学校側の対応は異常だと言わざるをえない。いじめのもみ消しを図っているだけでなく、もはやいじめに積極的に加勢しているというべき状況となっている。

とりわけ、教頭が「1人の被害者よりも10人の加害者の未来が大切」と言い放ったことなど、許せない暴言というべきものである。被害者に泣き寝入りさせて犠牲にすることで、加害者の加害行為をもみ消すなど、絶対に許されることではない。こんなものを放置することで、被害者は命を落とすような最悪の状況に追い込まれたこと、また加害者に対して必要な対応を取られないことで加害者が「自分は守られている。何をしてもいい」と勘違いすることで、将来的に加害者と接点が出る人にも新たな被害を生み出しかねないことは、それこそ「将来の日本」や社会の未来にとって重大な損失である。

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