保育園送迎バス閉じ込め事故、園側の対応に問題か

福岡県中間市の私立双葉保育園で2021年7月29日、5歳の園児が送迎バスに取り残されて熱中症で死亡した事故。続報が次々と報じられている。

報じられた経過

この事故では、園長が1人で送迎バスを運転し、降ろすときに「泣いている別の園児に気を取られた」などとして、園長や出迎えた別の職員が5歳園児が降車したかどうかを確認せず、また車内確認もせずにバスを施錠したことが指摘されている。さらに担任の保育士は当該園児の姿が見えないことに気づいたが「欠席」と思い込んだことも指摘された。

当該園の送迎バスは、個人使用や商用車としても広く使われ、救急車やコミュニティバス、各種施設の送迎車のベース車となっていることも多い車種で、内装を幼児バス仕様として市販されているものを使用していた。

当該園では送迎バスでの送迎をおこなっていたが、保護者が直接保育園に子どもを送る場合も多く、園で出迎える職員の確保が必要になり送迎バスにまでは人手が回らないとして、園長1人で運転することが常態化していた。事故のあった日は7人ほどの園児が乗車していたとされる。

園では園児をバスに乗せる際、出欠確認を兼ねて園児の健康状態などを記入したカードを保護者から受け取ることになっていた。しかし園長運転のバスではカードの受け取りを省略することが常態化していたという。当該園児のカードがなかったことで、担任らは欠席だと思い込んだとされる。

また保育園では、スマートフォンのアプリや電話で欠席の連絡があると、職員室のホワイトボードに欠席者の氏名を転記し、園のパソコンや職員LINEでも共有する体制を取っていた。しかし当該園児の名前がないことは見落とされていたという。担任の保育士は、当該園児の名前がないことに気づいていたものの、欠席と思い込んで特に対応しなかったとされる。

普段から「倉庫に閉じ込め」?

さらに気になる情報も、一部週刊誌で指摘されている。

事故を受けての保護者説明会で、普段から園児を倉庫に閉じ込めるなどの行為があったことが指摘され、約20人の保護者が「自分の子どもが被害に遭った」と訴えた。

保護者からは「今回の事故では、車の中にわざと閉じ込めたのではないか」と疑う声も出て紛糾し、同席した弁護士が「車に故意に閉じ込めたことはない」と制止する場面もあったという。

週刊誌取材に対して、園長は弁護士を通じて「ほかの子どもの前で叱るのはかわいそうなので、子どもを人のいない場所に連れて行って叱ったことはある」とする見解を寄せたとされる。

私見

現時点で報道で指摘されている内容を前提とすれば、保育園側の対応に何重にも問題があったと考えられる。

事故を防ぐために何重にもチェック箇所があったにもかかわらず、それらのチェック箇所をすべてすり抜けて最悪の状態を招いたということになっている。漠然と運営していたのではないかという気がしてならないし、保育園の体質が問われるべきであろう。

別件の「倉庫閉じ込め」の件が告発されたというのも気になる。普段から倉庫閉じ込めをともなう指導が日常的におこなわれていた疑惑が出たということは、今回の事故とは無関係の可能性もあるものの、倉庫閉じ込めそれ自体が虐待を疑われる不適切行為となる。

保育園の保育体制・運営体制についてさらに詳細な解明が待たれる。

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