熊本県立高校での2件のいじめ自殺訴訟、それぞれで第1回口頭弁論開かれる

熊本県立高校で起きた2件のいじめ自殺訴訟の第1回口頭弁論が、2021年7月28日に熊本地裁でそれぞれおこなわれた。

当該事件は2013年4月に県央地域の県立高校で当時3年の女子生徒が自殺した事件と、2018年5月に別の県北部の県立高校で当時3年の女子生徒が自殺した事件の2件。

2つの事件は別の案件である。偶然ではあるが、事件の経過や学校・教育委員会の対応について似たような部分があったこと、原告側が提訴したのがほぼ同時期になったことなどの共通点があった。同日に同じ裁判長のもとで第1回口頭弁論が開かれた様子。

いずれも、加害者とされる元同級生側と熊本県は請求棄却を求めた。

2013年の事件

2013年の事件は、同級生から体育大会のダンスの練習で責められたり笑いものにされるなどしたなどのいじめがあったとされるものだという。

熊本県は「いじめがあったが自殺との因果関係は確認できない」とした。報告書ではいじめ加害者とされた生徒の氏名は遺族側にも非開示とした。

遺族側の独自調査で、同級生からの聴き取りによって加害者の氏名は判明したものの、住所がわからなかったという。2021年に入ってから遺族側が同窓会名簿を入手して、加害者とされる同級生の住所が判明したことから、加害者とされる元同級生8人と熊本県を相手取り、約8300万円の損害賠償を求めて提訴に踏み切った。

熊本県立高校いじめ自殺事件(2013年)
熊本県立高校3年だった女子生徒が2013年4月、いじめを苦にして自殺した事件。経過熊本県県央地域の熊本県立高校3年だった女子生徒は2013年4月11日朝、自宅敷地内で自殺を図っていたところを家族に発見され、病院に搬送されたが死亡が確認された

2018年の事件

2018年の事件は、同級生から一方的に責め立てられたり悪口を言われるなどのいじめがあったとされる。生徒は体調不良を訴えて学校を早退後に自殺した。

熊本県教委の調査委員会ではいじめを認定し、いじめと自殺との間に因果関係があるとした。

一方で県教委は遺族側にも加害者の氏名を開示しなかった。遺族側の独自調査でいじめに関与した生徒を特定し、2021年4月に加害者とされる元同級生のうち中心となった4人を相手取り、約1100万円の損害賠償を求めて提訴した。

熊本県立高校いじめ自殺事件(2018年)
熊本県北部の熊本県立高校3年だった女子生徒が2018年5月、いじめ被害を訴えるメモを残して自殺した事件。いじめの事実関係、いじめと自殺との因果関係、学校側の対応の不適切さが、第三者委員会で認定された。事件の経過熊本県立高校3年だった女子生徒

口頭弁論

いずれの事件でも、加害者とされる側は請求棄却を求めた。2013年の事件では熊本県も被告になっているが、熊本県も請求棄却を求めた。

2つの事件とも、いじめの状況は極めて重大で、被害生徒を精神的に追い詰めるようなものだったといえる。裁判の中で、いじめに対してしかるべき判断がなされることを願っている。

(参考)
◎13年県立高女子生徒いじめ自殺 県と同級生側、初弁論で争う姿勢 /熊本(毎日新聞 2021/7/29)
◎18年いじめ自殺訴訟 同級生4人、争う姿勢 /熊本(毎日新聞 2021/7/29)

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