静岡市、教科書再採択へ:採択方法に懸念出る

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静岡市立中学校の2021年度教科書採択で、教育委員会主導で自由社の採択を推すととれる動きが出ていることが指摘されている。

中学校の教科書採択は原則として4年に1度実施され、前回の採択は2020年(2021年度以降に使用)だった。そのほかの年度では、原則として前回採択教科書を継続使用することの追認にとどまることになる。

しかし前回教科書検定では不合格となった自由社の中学校社会科歴史的分野教科書が、2020年度(2021年3月結果発表)の教科書検定に再申請をおこなって合格した。このことにより、文部科学省は社会科歴史的分野については再採択をおこなってもよいとする通知を出していた。

自由社教科書は「新しい歴史教科書がつくる会」関係者が編集し、内容に極右的・歴史修正的な記述がみられる。2000年代は「つくる会」として扶桑社から教科書を出していた。つくる会の内紛・分裂に伴い、当時の反執行部派が分裂する形で育鵬社教科書を作り、その後2010年代にかけて育鵬社がシェアを伸ばしたものの、当時の執行部派も「つくる会」として引き続き自由社から教科書を出版する形になっている。

静岡市教育委員会では2021年6月21日の定例会議で、市教委事務局が自由社の教科書採択の検討を提案し、委員からは特に反対がなかったという。7月26日の教育委員会会議で、現行で採択されている帝国書院版との比較をおこなうとしている。

このことについて、学校現場からは懸念の声が出ているという。

中日新聞2021年6月28日付『中学歴史教科書 静岡市が自由社の採択検討』によると、静岡市教職員組合関係者の見解として、以下のような談話が紹介されている。

「前回は現場の意見を聞いてから採択だったのに、今回は教育委員の独断で決められてしまう。他の教科書を含めず現行の教科書と比較するだけでは、(自由社の教科書が)採択されやすくなり特別扱いになるのではないか」

確かに、そのような懸念があるということになる。自由社教科書を採択しやすくさせるための対応だとも危惧される。

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