埼玉県立高校「ネットいじめ」自殺、加害者に賠償命じる・県の責任認めず

「埼玉県立高校2年だった女子生徒が2017年に自殺したのは、元交際相手の男子生徒と、同じ学校に通っていた男子生徒の妹がSNS上に中傷・脅迫の書き込みをおこなったことが原因。学校側は十分に対応しなかった」として、女子生徒の両親が加害生徒側と埼玉県を相手取り約9650万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁は2021年7月14日、男子生徒と妹の書き込みを不法行為だとして約50万円の損害賠償を命じる判決を出した。一方で、学校側の注意義務違反については認めなかった。

いじめの経過

このいじめ案件は、埼玉県教育委員会が2018年5月に公表した調査報告書などによると、以下のようになっている様子。

同じ高校に通っていた女子生徒と男子生徒は交際していたが、別れを考えるようになった。「女子生徒がSNS上で非公開の裏アカウントを作り、男子生徒の悪口を書き込んでいた」ことを知った男子生徒は、女子生徒の悪口を書き込むなどした。

また女子生徒および男子生徒と同じ高校に通っていた男子生徒の妹は、兄の交際については特に関心がなかったが、「女子生徒が妹の悪口を書いている」と男子生徒から聞かされたことで激怒し、この女子生徒を脅すような内容をSNSに書き込むなどした。

女子生徒は書き込みにショックを受け、2017年4月に自殺した。

判決の内容

判決では妹の行為について「女子生徒に他の生徒から好奇の目で見られ、いじめられるかもしれないとの恐れを抱かせる」と判断し、共同不法行為を認めた。

一方で学校側の対応については、学校側は女子生徒に対応していた・自死の予見可能性は認められないとして、注意義務違反を認めなかった。

原告側は「自殺したのは本人の意志が弱いからと言っているとしか感じられない。こういう判決が出ると、ネットで嫌がらせを受けて亡くなっても、因果関係がないという流れになる」と不服を示し、控訴を検討するとしている。

今回の結果については原告側にとっては納得がいかないものとなった様子。ネットいじめによって生徒が自殺に追い込まれたという事実は極めて重大であり、学校・教育委員会独自の対応としてもよりよい対応策というものを検討・検証していくことが必要になってくるとも感じられる。

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