都立高校プール飛び込み事故:授業担当教員への公判始まる

東京都立墨田工業高校(東京都江東区)で2016年、当時3年の男子生徒が水泳の授業中、飛び込みの際に首を骨折する事故があった。

この事故では、当時授業を担当していた男性教諭(48)が業務上過失傷害罪に問われている。2021年7月9日に開かれた初公判で、教諭は起訴内容を認めた。

事故の経過

事故のあった日の授業では、飛び込みの指導をおこなっていた。教諭はスタート台から約1メートル前方・水面からの高さ約70センチメートルほどの場所にデッキブラシを水平に持ち、生徒に対してデッキブラシを越えて水に飛び込むよう指示した。

男子生徒はその際、プールの底に頭をぶつけて首を骨折し、介助が必要な状態になった。

また事故直前には同様の指導のもとで別の生徒が飛び込んで額をぶつけるなどしていたが、ケガなどはなかったとして、教諭は「大丈夫だろう」と安易に考えて同じような指示を漠然とおこなった結果、当該生徒の事故につながったとも指摘された。検察は、教諭が「高く飛びすぎるとプールの底に衝突する危険性があると認識していた」と指摘した。

東京地方検察庁は2020年12月に教諭を略式起訴した。しかし裁判所は正式な裁判を開くことが適切だと判断し、東京地裁で審理されることになった。

被害生徒は「水泳部だったので、飛び込まないと教諭に何を言われるか分からず、飛び込んだ。就職も諦めざるをえなくなり、介助無しでは生活できなくなった」と述べていたという。

事故防止策を

当該教諭への刑事処分の内容については、裁判の過程でしかるべき判断がなされることになるだろう。

同時に、当該教諭の個人的な問題として片付けるだけでは不十分である。事故の内容を詳細に分析した上で、危険な指導・無理な指導がないように再発防止策をとっていくことも重要である。

報道の範囲での判断にはなるものの、デッキブラシを差し出してその上を飛び越えさせるという指導法は、適切とはいえない。直前にも「軽い」事故が起きていたもとで漠然と同様の指導をほかの生徒にも続け、事故につながったという経過も重大な問題があるとも感じる。

事故の詳細な内容や再発防止策などが明らかにされ、今後の各地の学校での指導に反映されることが望まれる。

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