東京オリンピック「学校連携観戦」キャンセル・返上相次ぐ

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東京オリンピック・パラリンピックでは「学校連携観戦」の制度が設定されたが、学校・市区町村教育委員会からは観戦枠返上の動きが相次いでいると報じられている。

観戦チケットへの批判

「学校連携観戦」は、大会組織委員会が、児童・生徒に教育の一環として競技観戦の機会を得られるようにする目的で、競技会場がある東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・福島県・宮城県を中心にした学校への観戦枠を設定し、都県・市区町村教育委員会などが費用を負担する形で、学校単位での観戦の格安入場チケットを発行する形になっている。

教育委員会経由で、学校行事としての観戦枠が割り当てられた場合もあった。

しかしこのことで、教職員や保護者からは疑問視する声が上がった。

新型コロナウイルス問題のもとで、感染防止対策で授業や学校行事など日常の教育活動への影響も出ている状況なのに、オリンピック観戦を強行するのは矛盾すること。

行き帰りの公共交通機関で「密」が生じかねないこと。

実施時期が真夏の炎天下ということもあり、熱中症などの事故の危険も生じること。

割り当てられた日程によっては、帰宅が夜の時間帯になることもあり、最寄り駅から自宅までの安全確保に難があること。

――などの批判・懸念が出た。

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観戦キャンセルの動きも

これらの指摘を受け、学校や市区町村教育委員会がチケットをキャンセルし、観戦を辞退・返上する動きが相次いでいるという。

東京都目黒区・文京区、埼玉県27自治体、神奈川県16自治体、千葉県27自治体では、自治体単位での観戦全面中止の方針を決めた。また、学校からの要望があったところについて観戦中止を認める自治体も複数出ている。東京都世田谷区では、保坂展人区長が「観戦実施は困難」「子どもの安全を第一に考えたい」とする見解を表明し、教育委員会と相談する意向を表明している。

最終的には学校の判断ということにはなるのだろうが、新型コロナウイルス問題に加えて熱中症リスクも加わったような状況で観戦を強行するのは極めてリスクがあるということになる。教職員や児童生徒・保護者の意見を第一に、適切な判断を願いたい。

(参考)
◎五輪の「学校連携観戦」全面中止広がる 感染リスク懸念、神奈川県は6市5町に(東京新聞 2021/6/23)
◎五輪・パラの学校観戦、大幅減 神奈川は16市町が中止(朝日新聞 2021/6/24)
◎五輪学校観戦チケット、17万枚キャンセル 関東3県で中止続々(毎日新聞 2021/6/26)
◎福島の小中学校、五輪観戦の辞退続く 感染や交通費懸念(朝日新聞 2021/6/26)

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