全国学力テスト、2021年度も実施

小学校6年と中学校3年の全児童生徒を対象にする全国学力テストが、2021年度は5月27日に実施された。

導入から14年目となるが、テストをめぐる状況を西日本新聞2021年5月27日付『全国学テ「追い詰められている」現場の訴え 結果求められ…事前準備が常態化』がリポートしている。

全国学テ「結果」に追われる学校 「目的逸脱」事前準備が常態化
小学6年と中学3年を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が27日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年は中止され...小学6年と中学3年を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が27日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年は中止され...

記事では九州の小中学校の教員に取材した内容を紹介している。テストの点数向上目的で、過去問や類題問題集を解かせるなどの事前準備が常態化している状況が記されている。

全国的にも似たような状況が発生し、過去には国会質問などでもとりあげられたことがある。

これでは、導入の際に表向き出された「学力状況を把握する」という名目ではなく、地域間・学校間の競争を導入することにしかつながらない。またテストの点数というひとつの物差しだけで学力状況を測るといういびつなことにもなっている。

西日本新聞の記事では、研究者の見解も掲載している。

 学校現場が対策に追われる現状を踏まえ、全国学力テストの在り方に疑問を呈する研究者は少なくない。国の専門家委員会委員で、福岡教育大の川口俊明准教授は「そもそも目的と手法にずれがある」と強調する。

国は(1)学校現場の指導改善(2)国の政策に反映-という二つの目的を掲げる。川口准教授は「指導のためなら、学校で行う普段のテストで十分。政策に生かすためなら、子どもの実態を正しく把握する必要がある。事前準備などの対策を取る学校がある中で、全員対象の現行調査は結果が偏る可能性が高い」と説明する。

全国学テ「追い詰められている」現場の訴え 結果求められ…事前準備が常態化(西日本新聞 2021年5月27日)

この指摘は当ブログでも過去に繰り返し指摘し、また研究者・教職員など多くの立場の人が指摘してきた内容とも一致している。現行の全国学力テストのやり方は、日常の学習状況の把握という意味でも、国としての教育政策を策定する目的としても、中途半端なものとなってしまっている。いやむしろ、事前準備での平均点を上げる対策や、地域間・学校間での点数競争などに追われる状況を生み出している以上、中途半端というより有害になっているといってもよいのかもしれない。

このような全国学力テストを、今までのように続けていく意味があるのだろうか。

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