学校事故被害者を脅迫した元小学校臨時講師に有罪判決:仙台地裁

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仙台地裁は2021年3月11日、東日本大震災(2011年3月11日)に伴う宮城県石巻市立大川小学校津波事故の遺族や、大阪教育大学附属池田小学校事件(2001年6月8日)の関係者を脅す手紙を送付したなどとして脅迫などの罪に問われた、高知県香美市在住で元同県南国市立小学校臨時講師(逮捕後に辞職)の男性被告(43)に対し、懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。

折しも、東日本大震災・大川小学校事故から10年目の節目に判決が出たことにもなる。大川小学校事故は、震災発生直後の津波でほとんどの児童と教職員が死亡したものとなった。地震避難時の誘導体制のあり方について教訓を残す事故ともなっていた。

また附属池田小学校事件は、学校に暴漢・宅間守が侵入して児童を次々と襲撃して多くの死傷者を出したものとなっている。事件直後に現場が混乱し、個別に対応をおこなったものの組織的な対応ができなかったことなどが課題として残った。この事件を機に、学校の安全体制・特に不審者や外部侵入者への対応がが大きく見直されることになった。

いずれの事件も、関係者個人の責任というよりは、学校および社会のシステムとして教訓を明らかにして、よりよい対応の方法を探る必要があるものとなっている。

しかし被害の教訓を訴えることを「学校への攻撃」と一面的にすり替えたとみられる被告は、各事故の遺族を脅迫する言動を繰り返した。▼大川小学校事故の遺族を名指しし、危害を加えることを予告する手紙を報道機関に送付した。報道機関が警察に届け出て、警察が遺族に知らせたことを通じて、遺族を脅迫した。▼石巻市役所に対し、大川小学校事故の遺族に危害を加えることを予告し、さらに「慰霊碑を壊す」などと記載した手紙を送付した。▼大阪教育大学附属池田小学校に対しても、遺族への襲撃をほのめかす手紙や、事件の祈念式典を襲撃すると脅す手紙を送付した。――などが指摘された。

被告は大川小学校事故遺族への脅迫容疑で2020年6月に宮城県警に逮捕・起訴され、附属池田小学校事件での脅迫容疑でも大阪府警に再逮捕されていた。被告は逮捕された際、動機について「学校の先生を批判しているのが許せない」などと供述したと伝えられている。

事件や事故の被害を訴えることを「学校批判」「教師批判」と一面的で身勝手なすり替え方をおこない、被害を訴え教訓を明らかにして事件再発防止を求める関係者の口を封じようとするなど、許されることではない。

学校関係の事件では、この手のすり替えで被害者攻撃をおこなうものは、この被告に限らずよくみられる。このような卑劣な行為はなくしていかなければならない。

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