28年前の生徒への性的行為認定、中学校教諭を懲戒免職:札幌市

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札幌市教育委員会は2021年1月28日、「1993年、当時中学生だった女子生徒に対して性的な行為をした」として、市立中学校の男性教諭(56歳、美術科、現任校は札幌市立前田北中学校)を同日付で懲戒免職処分にした。

札幌市立中学校に通っていた女性(現在43歳)が、「中学校在学当時から卒業後数年間にかけて、美術部顧問だった当該教諭から性的行為を受けた。当時は恋愛だと思い込まされていたが、後年にPTSDを発症し、当時の性的虐待が原因だと診断された」などとして訴えた訴訟で、2020年に東京高裁で判決が確定したことに伴うものだという。

女性が起こした訴訟では、損害賠償請求そのものは「時効が消滅している」として棄却される形になった。その一方で、男性教諭が女性に対しておこなった性的行為は認定された。

札幌市教育委員会は判決を受け、改めて当該教諭に事情聴取をおこなった。教諭は事実関係を否定したが、札幌市教育委員会は「判決内容を否定できるような内容は見当たらなかった」と判断し、懲戒免職処分に踏み切った。

教諭側は「不当な措置だ」と訴え、処分無効を求めることも検討するとしている。

裁判で指摘されたことは重い

教師の暴力事件・いじめ事件など学校関係の事件をはじめ、訴訟では概して、被害者側の被害訴えが認められることは少ない傾向がある。一般的な判断力を持って考えると、心証的には完全に「黒」ではないかと思われるものでも、判決ではあれこれと持ち出して被害訴えを小さく扱っているようなものも多い。

被害訴えが認められにくい裁判という性質で、しかもより困難な「事件発生から長期間が経過しているもの」で、被害が事実だと認められたことは大きいのではないか。

また、裁判としては時効でも、それは教育委員会としての判断を左右するわけではないというところも重要ではないか。