医療的ケア児受け入れ、看護師配置した民間保育所に補助へ:大阪市

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大阪市は2021年4月より、たんの吸引など医療的なケアが必要な子どもたちを受け入れるために看護師を配置した民間保育所に対し、看護師1人あたり最大で年間550万円の補助金を園に支出する方針を固めた。

2021年度予算案に必要な経費を盛り込むことにしている。

医療的ケアが必要な児童の受け入れは、保育士資格だけでは医療行為ができない、保護者の付き添いか看護師の配置が必要になると指摘されてきた。看護師を新たに保育所に常駐させることは人件費がかかり困難だとも指摘されてきた。

たんの吸引などの医療的ケアが必要な児童が保育所への入園を希望しても、必要な体制が取れないとして入園の是非が争われることは各地で起き、マスコミ報道されたり訴訟にもなってきたことがある。

政府は近年、医療的ケアが必要な児童の受け入れ拡大の方策を打ち出してきた。大阪市はこれに呼応したことになる。

大阪市の制度で気になる点;公立園縮小との兼ね合い

制度そのものについては、必要な児童が保育所に入園できる条件が広がるという意味では、歓迎されることではある。その一方で気になる点もある。

大阪市では維新市政のもとで、市立保育所を減らして、民間移管や統廃合をおこなっている。移管・統廃合計画は少しずつ進め、最終的には市立保育所は1行政区あたり1ヶ所程度にまで減らすことも構想されているという。

保育所統廃合計画への批判として、障がいを持つ児童、医療的ケアが必要な児童への対応は主に市立保育所で受け入れてきたという指摘がされている。民間保育園では経営状況などからそこまで十分に手が回らない、だから公立としてしっかりとバックアップすることがメインになるという仕組みでやってきたという指摘である。

また大阪府や大阪市はそれぞれ、幼稚園でも同様の補助金制度を実施しているが、それが森友学園問題での補助金不正受給の手口の一つとなったとも指摘されている。

大阪市では維新政治のもとで市立幼稚園も減らす計画を出し、また維新の「民間でできることは民間で」の考え方のもと、障害児受け入れも私立園に求める方針をだし、そのための補助金を作った。しかし幼稚園での補助金は、実際にはあまり活用される状態ではなかったという。しかし森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区・2021年4月より休園方針)では、診断書などを改ざんして補助金を水増し受給していたという指摘もされていた。こういうことも思い出す。

公立園でのしっかりとした受け入れ体制とともに、私立でも条件のあるところには補助金を出すというなら別にかまわない。しかし維新が公立園での受け入れ体制を縮小して私立に丸投げするという中途半端な状態だと、あまりよくない結果を招くのではないかという不安もある。

(参考)
◎大阪市 医療的ケアが必要な子どもたちの保育拡大で独自支援へ(NHKニュース 2021/1/21)