保育士のマスク着用、乳幼児の発達に影響?現場では工夫も

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新型コロナウイルス問題の拡大により、マスクの着用が社会のあちこちで広がっている。一方で保育所での保育士のマスク着用によって、子どもに何らかの発達上の影響が出ているのではないかとする指摘もあるという。

『しんぶん赤旗』2020年12月12日付が、保育士に取材した記事「保育園でマスク 影響は 表情見せる工夫も」を掲載している。

保育所現場では

記事によると、以下のような内容が紹介されている。

東京都内の保育所に勤務する保育士は2020年8月頃、0歳児クラスの子どもの変化に気づいた。4・5月生まれで1歳半に近い子どもも、意味のある言葉が出なかったり、食事を噛んで飲み込むことが上手にできないなどの状況があった。10月以降、保育士がマスクを外してフェイスシールドで保育をおこなうようになると、表情が豊かになり、食べるのが上手になる、言葉も出るなどの変化が出た。

ほかの保育所でも保育士から同様に「言葉を獲得していく0歳~1歳の時期に保育士がマスクをすることは、声や表情が伝わりにくく、弊害が大きい」と指摘する声が上がっているという。

島根県の保育所では、感染が少ない地域だということもあり、保護者に相談した上で、日中の園児の前ではマスクを外して保育にあたっているとしている。

発達心理学の専門家によると、乳幼児期は口の動きからも表情を読み言語能力や感情を理解する能力を獲得しているとされていることから、保育者のマスク着用が何らかの影響を与えていることは否定できないとも指摘している。

感染拡大防止と子どもの発達の両立を

新型コロナウイルス問題については、感染拡大防止や、早期収束を目指す社会の各分野での取り組みは、当然のことながら追求していくべきものである。保育所でも保育士や園児を介したクラスターも含めて、感染が問題になっている状況もあり、決して楽観視してはいけないものではある。

その一方で、保育者のマスク着用によって子どもの発達に影響が出てしまうということになると、これは別の意味で深刻な問題になる。

保育現場では、感染拡大防止策と子どもへの影響を与えないということを両立させるため、給食時の食事介助などの際には保育者がマウスガード等につけ替えておこない、口の動きが見えるような工夫なども始まっているとされる。個別の保育者や保育所の独自の取り組みというだけにとどめず、政府や行政などとしてもそういうことをしっかりとバックアップしてほしいと願う。