北海道立高校生徒自殺訴訟、二審も請求棄却

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北海道立高校1年だった男子生徒が2013年3月に自殺したのは、所属していた吹奏楽部での顧問教諭の不適切な指導が原因だとして、遺族が北海道を相手取り約8600万円の損害賠償を求めて訴えていた民事訴訟の控訴審判決が、2020年11月13日に札幌高裁で言い渡された。

北海道立高校吹奏楽部生徒自殺事件
北海道立高校で2013年3月、当時1年の男子生徒が自殺し、背後に部内でのいじめや顧問教諭からの不適切指導があったと指摘された事件。経過札幌市内の北海道立高校に通い吹奏楽部に所属していた当時1年の男子生徒は2013年3月3日、当日は日曜日だっ

控訴審では一審札幌地裁判決(2019年4月)を支持し、遺族側の請求を棄却した。一審判決では、部活動のいじめや顧問教諭の叱責についての過失などを認めず、北海道の責任は「自殺事件後に学校がおこなったアンケートの扱いが不適切だった」という点のみに限定して、その部分についてのみ約110万円の損害賠償を認めるものだった。

この事件では、▼生徒が部活動内でいじめを受けていた。▼部内でのネットをめぐるトラブルの際に顧問教諭は、相手の生徒から当該生徒への暴言を不問にし、この生徒のみを「相手の生徒に一方的な暴言を書き込んだ」扱いで叱責した。さらに顧問教諭は、この生徒に対して、全部員の前で謝罪するよう命じた。▼自殺前日に顧問教諭が「部の規則を破った疑いがある」としてこの生徒を叱責した。――などが指摘された。

控訴審判決では、自殺前日の顧問教諭の叱責について「十分な事実確認がない不適切な指導」とは指摘した。その一方で「自殺の原因は顧問教諭の叱責だけに限らない。自殺の予測は困難」などとして、教師の指導と自殺との因果関係を否定し、法的責任を否定した。

控訴審でもこのような判決になったのは、残念なことだと言わざるをえない。一連の経過に対する学校側の対応は、法的な判断はこのような形になったとはいえども、教育的な観点からは適切なものであるとはとても感じられないものである。